人気ブログランキング | 話題のタグを見る

フィンランド出張(2008)2日目①

フィンランド出張二日目。
例のごとく、ほとんど寝ることができず、3時間程度の睡眠時間。
最初の1時間は10分おきに目が覚めるという「最悪のコンディション」。
海外出張で「時差ぼけ」はつきもの。私の場合はアメリカでもヨーロッパでも必ず「時差ぼけ」するので、慣れっこなのですが。

若い頃は全く「時差ぼけ」しなかったんですが。年のせいか?

特に今旅程の二日目は「ボー」とする時間も許されず、くたくたになりました。

*******************
3:00 起床

今回宿泊しているホテルは、Sokos Hotel Villa。
ソコスグループが経営しているチェーンホテル。
1泊2万円弱ですので。とんでもなく高いのですが、
ただ、ヨーロッパは宿泊料は概して高いので、仕方がない。
部屋はお値段に相応。インターネット環境も整っていますし、とても快適。
ただやや寒いのが、ネック(財布もお寒いですが)。

フィンランド出張(2008)2日目①_b0091443_17183382.jpg


7:00 朝ご飯。

ドイツの時もそうでしたが、ヨーロッパは共通しているのでしょうか(英国をのぞく)。
非常においしく頂きました。

フィンランド出張(2008)2日目①_b0091443_17184995.jpg


8:15 ニカンダー先生(タンペレ大学)がホテルにお見えになる。

今回の「コーディネーター」は再々登場のニカンダー先生。
フィンランド人は英語が達者なイメージがあったのですが、どうやら
年配の方は例外のよう。「たどたどしい英語」をしゃべられる。
逆に我々にとって見れば、「スピード感のある英語」よりもありがたい。

本日の日程についての説明と、我々の自己紹介などを行い、タクシーで次の訪問先へ。

9:00 タンペレ大学教師教育実践校(Teacher Education Practice School)訪問

同校は日本で言う「教育学部附属学校」といったイメージ。校長先生である、Arja Aalto-Laaksonen 氏に対応頂きました。まず最初は、校長先生の方から本日の予定の紹介。また、簡単に学校組織の紹介。upper secondary と secondary を備え、550人の学生、70人のスタッフ、130名の教師の他、upperにはイラクなどからの学生もおり「多文化」化しているとのこと、また、1年を5セメスターに分けており、1セメスターは6~7週間。各セメスターのラストウィークには、テストやレポート提出を行う。各セメスターには相当数のコースが組まれており、各コースは38授業で構成されている。elementaryについては他の場所にあるとのこと。今回は、実習期間が過ぎており、実習生への「対応」については直接拝見することはできないようです。

フィンランド出張(2008)2日目①_b0091443_17192851.jpg


9:30-10:45 Ville Salonen 先生による「公民」の授業見学

同校でも「指折り」の「優秀教員」として校長先生より紹介されたSalonen先生による授業を拝見。生徒は第9学年で総勢12名と少なめでしたが、「クリスマス休暇」に入っている生徒もいるとのことで、実際は20名以上がこの授業を受けるようです。日本はというと・・・やはり人数は少ないですね。一クラスの人数は「学力」が高低に関係しそう。また一時限が75分と長い。充実した内容を行うことが可能な時間でしょう。さてSalonen先生の今回の授業の流れは以下の通り。

「フィンランドにおけるcitizenとは誰か、それはなぜcitizenなのか」
→フィンランドにおけるcitizenについて、法的にどのように規定されているのかについて、
問いと答えの「往復運動」にて明らかにしていく。
具体的には、フィンランドにおけるcitizenとは「両親がcitizenであり、同国で生まれた人」とか「フィンランドで生まれたが国籍がない人」また、「犯罪歴がない人」「北欧各国に住んでいることを示す証明を持っている人」といったこと等、フィンランドにおいてcitizenになることができる「条件」を先生が質問をして子どもに答えさせながら確認していく。
「フィンランドにおけるcitizenが持つ法的権利や義務とは何か」
→○×問題をプリントで行うことで法的権利や義務についての理解を図る。そして、生徒に答えを聞いていく。どのような法的権利や義務がプリントに示されているのかは、フィンランド語でしたので、よくわかりませんでした。

この授業を拝見した段階の私の評価は「法制度の理解型」授業というもの。ある先生は「We the People型(アメリカの教材)」とも指摘されていました。私もそのご意見に同意した次第。ただ、この授業の後の時間でどう展開していくのか、そのあたりを聞いてみないと、と感じていました。同先生には、チューターとして実習生にどのように関わっているのかも含め、後ほどインタビュー時間が予定されています。

ただ、整然とした授業で、子どもたちも問いに正確に答え、しっかりと先生の話を聞いている。子どもの学ぶ態度がしっかりしている。このような印象も持ちました。

フィンランド出張(2008)2日目①_b0091443_17195957.jpg


11:30-12:45 昼食

授業を拝見した後は、昼食会場へ。生徒と同じ食事を頂きました。「サーモン入りのシチュー」にパンやクラッカー、サラダ、フルーツなど。生徒にはサラダ、フルーツはありませんが、給食費は無料だそうです(これだったら日本の給食費滞納問題は起こりませんね)。私のテーブルには、E大学のO先生とH大学のY先生、そして私。また同校で「宗教」を教えておられる先生もお見えになり、お話しを伺う。

「科目・宗教では何を教えているのか」「科目・宗教はメジャーな科目なのか」「生徒の通学手段は何か」等々。

この先生は、日本の文化にも興味をお持ちのよう。また日本の教育で「宗教をどう取り扱っているのか」についても質問されました。E大学のO先生は「間を持たせていただける質問の名人」ですね。ありがたい存在です。

*******************
さて「時間切れ」。1日目午後は「波瀾万丈」「疲労困憊」といったキーワードがぴったり。後ほど、時間を見つけてその様子を更新したいと思います。
by yasuhirohashimoto | 2008-12-10 13:19 | 研究のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto