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教育実践研究Ⅱ(模擬授業3回目)

本日、模擬授業3回目が行われました。
今回は小学校3年生を対象とした、スーパーマーケットの授業。
スーパーマーケットを事前に訪問し、様々な調査活動をしたことを踏まえ、この授業では、スーパー側の工夫のうち、たとえば「牛乳のように賞味期限が早いものをなるべく前に出す」といったことや、「夕刻以降は半額シールが貼られる場合がある」といったことに焦点を絞り、「そのようなことをスーパー側が行うのはなぜなのか」を、子どもたちに説明していくような授業でした。

「①店側が少しでも儲けたい」「②効率よく商品を売りたい」といったことを子どもに理解させたかったというのが授業のねらいです。

模擬授業を聞いていた学生さんからは、「ワークシートがしっかり作られていた」「牛乳が並べられていた写真を掲示したのは効果的だ」「授業のねらいがはっきりしている」といった肯定的な意見が多く出される一方で、「説明が多い」「賞味期限と言う言葉を子どもは知らない(知らない子もいるはずだ)。たとえば、『明日で飲めなくなる牛乳』と、『1週間近く飲める牛乳』、それぞれの値段は50円と100円・・・といった具合に賞味期限と言う言葉を知らない子どもにも対応できるように教材を作る必要があること、そして、その『どちらが欲しいか』と問い、子どもに考えさせるといった思考場面があった方が良い」といった意見等が出されました。

この授業の元ネタは、私が社会教材研究の講義で見せた「スーパーマーケットのひみつ」の授業で、授業者なりにこの授業を修正したものでした。私が見せた授業は、今回のように2つの店側の工夫だけでなく、「他の物をたくさん買った人には卵が1個1円で売られる工夫」の合計3つを取り上げて、その理由を子どもたちに問いながら考えさせ、教師がまとめていく授業。テンポ良く、説明型ではありますが、子どもたちに教えたいエッセンスがよく伝わる授業でした。今回の授業は2つに絞って説明が多い授業でした。

私からは「以前講義で見せた授業のままであること(新しいネタがないこと)」、「授業者自体がスーパーに実際に行って調べてきたのかということ」、「ある小学校の先生が子どもを引率して連れて行った大型スーパーマーケットで子どもが見つけてきた『工夫』には『有機野菜が他の野菜よりも値段が高いけど、売られていること』『牛乳だけでも10種類以上売られていたこと』『それぞれの牛乳は同じ牛乳なのに値段が違うこと、自社製の牛乳は割安であること』『大きな駐車場があること』『アミューズメントパークと一体化していること』等々を見つけてきている。これら子どもが見つけてきた、気付いたこと、あなたたちが見つけてきたこと等を使いながら、授業ビデオに示されるものだけでなく、新しい教材で授業を展開していく必要があること(少しでも内容を改めて進歩した授業にすること)、そもそも前述①のねらいを達成するためにお客さんを集客しようとしている、①と②を授業のねらいとするなら、子どもたちが見つけてきたことも授業に組み入れることも出来るのではないか」等を指摘しました。

今回で模擬授業は終わり。小学校組、中学校組それぞれ、実際に教育実習を経験することで、少しでも成長してくれればと思っています。今日来ていた4年生はさすがに成長を感じさせてくれました。そのことが彼らのコメントからよく伝わりましたから。


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by yasuhirohashimoto | 2009-06-26 16:56 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto