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社会科フォーラムin福岡②。

社会科フォーラムin福岡、二つ目の提案授業は、香川大学教育学部附属坂出小学校の山内教諭による、小学校5年生「日本の食を支える水産業」をテーマにした授業。

今回の授業のMQは「どうして、日本人は、水産物をたくさん食べているのだろう」でした。まず、子どもたちに、給食の献立を確認させて、給食のメニューにどれだけ水産物が含まれているのかを問います。その後で、日本の水産物消費量の多さを確認するために、グラフを提示し、日本の水産物消費量は、インドの15倍、アメリカの3倍あることを読み取らせる中で、日本人の消費量を多さに気付かせていきます。そして、本授業のMQを発し、子どもたちに仮説を立てさせます。

「きっと周りが海に囲まれているから」「海に面していて漁が盛んであるから」「与那国島、択捉島、四方の一番端にある島があるので、漁をする範囲が広い」「アメリカ人は肉食中心だけど、日本は魚を食べるから」などが提示されました。

子どもたちからは「地理的要因」「文化的要因」が示されたということです。

その後で、子どもたちからは、「台湾だって周りが海なのに、魚の消費量はそう多くないよ」という意見が出され、「海の深さとの関係」を考える最中、この授業はタイムアップ。

この授業の指導案では、「環境決定論」以外にも、消費者や生産者の立場から、「日本人が水産物をたくさん食べる理由」が示されていたのですが、時間切れだったよう。ただ、私が不満だったのは、水産物をたくさん食べる理由は文化的要因もそうですが、やはり安く手に入る「手軽な食品」=水産物であることも大きな要因だと思いました。「経済的要因」を追究できるような観点もこの授業には必要だったと思います。

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by yasuhirohashimoto | 2010-06-20 11:49 | 研究のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto