ハワイ出張⑧。

シュミレーションを体験した後は、ジョンバーカイ先生と東川先生の車に分乗し、
ハワイ中心部から車で40分ほどのLEILEHUA HIGH SCHOOLへ移動。

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同校は12年前からpeer mediationを推進しており、学校カウンセラーの
部門にmediator部門(委員会?)が置かれている。同校は、2000人の生徒を
擁しており、うち、35%は近隣にある基地で軍人として働いているようだ。
同校は、ハワイ州の教育局が掲げるpeer mediationの定義を採用している。
その定義は、以下のような内容である。

*Self Directed Learners
*Community Contributors
*Complex Thinkers
*Quality Producers
*Effective Communicators
*Effective and Etgical Users of Technology

同校のpeer mediationは、校長先生の理解を得て、予算を毎年確保している
とのこと。mediatorを育てるには、よいトレーナーをfulltimeで採用することが
肝要とのこと。以前のブログにも書きましたが、ハワイ州ではこの分野の予算が
カットされていますので、拡大しづらい状況とのことでした。

peer mediationの役割は、問題が悪化する前に対応すること。同校では、
紛争が発生した場合、先生(カウンセラー)が同席した形で、紛争当事者と
mediatorがやりとりするとのこと。それも、授業中にやるので、mediatorには
相当の成績が求められる(それ以上に技量も求められる)とのこと。なお、mediation
の時間は1~2時間程度とのことでした。

mediationを行うことで具体的な暴力的事件に発展させない、事案を悪化させない
ことが大切とのこと。、(紛争当事者が)停学になることを避ける意味でもこの取組は、
意義があるとカウンセラーの先生はおっしゃっておられました。

なお、本年度途中まで発生している事件数は、33件。mediatorは2人(ハワイ方式
のようです)ですので、のべ66名のmediatorが問題の対処に当たったようです。

事件の原因は、無視やからかい、 精神的なハラスメント、お金の問題、疑いを募らせる、
などがあり、自殺につながる(可能性)のある事件や薬物濫用、妊娠の問題、などを、mediator
は取り扱わないようです。

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※写真は同校のmediatorの皆さん。第9学年の生徒さんがほとんどで経験は1年程度。

基本的には、自分たちよりも「下」の学年の問題に対処するようで、「上級生ぶった」対応
をするmediatorは排除する対応をとるようです。

生徒たちにこのプログラムに参加した理由を問うと、
「先輩からの薦め」「人間的な成長が見込める」「大学に入る際の基準の一つである」
といった回答が寄せられました。
またこのプログラムの意義を聞いてみると、
「怒りの感情をコントロールすることができるようになる」「我慢強くなる」「問題対処能力
が高まる」といった回答が寄せられました。
次に困った点について尋ねてみると、
「話を引き出すのが難しい場合がある(話を全くしない生徒がいる)」がありましたが、
あるmediatorの生徒さんは自身が逮捕されたことがある経験から、紛争当事者が
「心を寄せてくれる」場合があり、その場合は、話を引き出すことが比較的容易に出来た。
と述べていました。

また、カウンセラーの方には、mediatorの選び方について尋ねましたが、
「性別、人種、背景のバランスを取った人選」が必要であること、先述したように、成績が
良好な生徒であること、先生の推薦状3通が必要になることだそうです。

同校では、9学年全員にmediationの授業をしており、一部の生徒だけへの取組では
ないということもおっしゃっておられました。

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※写真は、世界平和を願うモニュメントを囲んでの記念撮影

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※写真は、学校側が用意してくれた昼食。とても美味しかったです。

この出張を通して考えたことは後日ブログにて。
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by yasuhirohashimoto | 2012-11-18 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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