台北出張⑤。

台北出張の続きです。



劉金玫弁護士、新北市立三民高中公民担当の劉麗媛先生、台北地方法院の林孟皇判事、後、小学校の先生(お名前がわからず、申し訳ないのですが)を交えての議論です。

ここでは、特に劉先生と小学校の先生からお伺いしたお話をまとめたいと思います。

劉先生からは現在の高等学校での法教育の現状についてお話をお伺いしました。
これまでの政治的な流れとして、国民党政権は「公民=道徳」との位置づけでテキストも
1冊であったが、民進党政権(2006年~)を経て、テキストが複数提示されるようになった。
また、民進党政権になってからは、道徳だけではなく、法の基本概念、法を変革していくプロ
セス、民法、憲法、刑法、訴訟法などを学習するような科目に公民が変わっていったとのこと。
特に人権を重視する考え方が強調される、また、人権と判例を組み合わせるような授業なども
行われるようになった。2009年以降は、アクティブラーニングな学習活動も取り入れられるように
なり、女性や児童、移民問題など、人権問題を取り上げる討論学習なども取り上げられるように
なった。また、昨日のブログでも示した「公民與社會」の新設に伴い高度な実定法に関する知識を
取り扱うようになったこと、そのため、教師教育が重視されており、この科目を教えられない場合、
「辞職」を促すなどの対応がとられているとのこと(なかなか現場の先生は大変です)でした。
ただ教えるべき内容が膨大で、高2年で週2時間、高3年で週3時間でも十分対応できない、
センター試験(台湾でもあるそうです)に間に合うようにがんばっているとのことでした。

おもしろかったのは「法知識コンクール」があり、いくつかの課題が出され、それをインターネット
のサイト(法務部が作成)の情報を読み解き、その課題を時間内にどれだけ正確に解けるのか
を競うというもの、そういったイベントも行われているようです。

また小学校の先生からはご自身が務められている台北縣清水國小6年生に対する「正義」
の授業についてご報告がありました。同小学校はアメリカ型法教育を取り入れ、カリキュラム化
されており、アメリカのK(幼稚園)向けの教材をゆっくり6年間かけて授業をされているとの
ことでした。

この日のヒアリングがすべて終了したのは夜9時30分過ぎです(外は大雨)。遅い時間まで対応いただき、
大変感謝しています。黄先生はじめ、諸先生方・参会いただいた皆さんに改めてお礼申し上げます。

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by yasuhirohashimoto | 2013-04-15 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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