秋田ジュニアロースクール見学(2013)。

過日、秋田ジュニアロースクールを見学してきました。



秋田弁護士会が主催。例年、この時期、各弁護士会では、小学生・中学生などを
広く公募し、「ジュニアロースクール」を開催します。

今回秋田を訪れたのは、「模擬民事調停」を拝見できるから。

「模擬刑事裁判」は、高校生模擬裁判選手権で審査員を何度かさせて頂いたこと
もあり、その様子はわかっているつもりですが、小・中学生がやる模擬調停につい
ては拝見したことがないので、せっかくの機会ということもあり、秋田へ遠征。

帝国書院の「法教育教材」の示される「吹奏楽部の騒音問題」を題材にして、
当事者(幼子を育てている主婦、高齢者 他 対 学校長、生徒、PTA会長)の間の
「対立」を生徒が、調停委員、双方の弁護士の役になり、お互いの立場を踏まえ、解
決策を考えていくという内容。

法務省の法教育研究会が作成した「ルールづくり」の授業がこれに似ていますが、
ただあの授業には調停委員や双方の弁護士役はいませんし、調停の場も設定さ
れていません。

この模擬調停の良い点は、当事者の役を弁護士の先生が務められていること。
紛争当事者がどのような意見を述べるのか、熟知している弁護士の方がそれを担われる
と、現実的な「対立」関係になります。また、双方の弁護士役の生徒たちは、まず、紛争
当事者から意見を聞き、それを相手方の弁護士役の生徒たちとの話し合いの場に
持ち出す。そして、双方の意見を述べ合う、そして、その意見を持ち帰り、再び、紛争当事者
の意見を聞き出す、そして、話し合いの場に・・・ということを繰り返すことで、双方の弁護士役
の生徒たちが「妥協して良いこと」「妥協してはいけないこと」を自身で考え始める。

1回目の話し合い、2回目の話し合い、話し合いを繰り返すことで、弁護士役の生徒たちは、
その内容を理解を深めていく、生徒たちの発言を聞いていると、理解が深まっている様子が
はっきりとわかります。

最後は調停委員役の生徒さんが「調停案」を作成する、そういった流れになるのですが、
時間の関係で最後まで拝見出来ませんでしたが、後日、この企画を運営されたT弁護士に
よると、質の高い「調停案」ができあがったようです。

***************************
模擬民事調停の教育可能性を強く感じました(模擬刑事裁判よりも・・・)。刑事裁判は、子ども
たちにとってドラマであり、大人になってもあまり関係のない存在であるかもしれません。
一方で民事紛争事案は、刑事裁判よりも起こりえる可能性がある事案です。市民性教育として
の法教育を考える場合、民事紛争事案を「解決」できる市民を育成することが重要です。そうい
った意味では意義深い取り組みだったと思いますし、今後拡げていく必要がある取り組みだと
思いました(これまで単位会レベルでは実践されてはいるのですが)。
[PR]
by yasuhirohashimoto | 2013-08-09 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto
プロフィールを見る
画像一覧