北海道教育大学附属札幌中学校研究大会。

過日、標記の研究大会に出席してきました。



「学びの主体者」となる生徒の育成~「問い」を活かす授業の探究~

上記を研究主題に掲げている同校。本学附属の研究大会における
研究授業によく似た授業スタイルを採用しています。

最初に拝見したのは、地理的分野の授業。学習課題を「日本とアフリカ
とは、どのような関わりがあるのだろうか」と位置づけて、日本とアフリカ
との関わりを「ヒト」「モノ」「コト」にそれぞれ分類し、付箋に書き上げ、整理
する。そして、日本とアフリカとの関わりについて考え、用紙に書き出すし、
各班毎で意見交換を行う。最後に学習課題に対する自分の考え方を述べる、
こういった授業の流れです。

この授業の前の授業は「アフリカの自然環境」「アフリカの歴史と産業」「アフリカの
人々の暮らしと願い」を学習課題として、また、「習得」学習として位置づけての今回
の「活用」学習。

ただ「習得」された知識が「活用」学習で「再登場」するだけでは、「活用」学習という
よりも「復習」学習になります。アフリカ理解がより概念的に深まるような手立て、問い、
学習課題が「活用」学習には必要になると思います。とはいえ、授業準備もかなりされ
ており、熱心に取り組まれているとは思いました。

次に拝見したのは、道徳の授業。今回の出張のメインになる授業。「法やきまりの意義」
を理解させる道徳授業です。授業展開は以下の通り。

「学校近くの歩行者用信号機、下校時間、パトカーは止まっている、車は来ていない」
「学校近くの歩行者用信号機、下校時間、自分以外に誰もいない、学活で交通ルールを
守るようにと話がされた、車は来ていないと思われる」
「家の近くの歩行者用信号機、朝、信号機を挟んで向かい側に小さな子ども、登校時間、
車は来ていないと思われる」

などなどの場面が設定され、学習課題:どのカードに書かれている状況だったら、自分は
信号を渡ってしまうだろうか。どの状況だったらわたらないのか。それぞれを分ける理由
は何だろうか と問い、4人1組で議論をさせるという授業。分類後、「自分の都合だけで
渡っても良いのか」「見られているかいないかで変えても良いのか」「本当に誰にも迷惑を
かけないのか」といった観点で議論をし、自分はどのように考えて行動するのだろうか、
と改めて考えて、授業が終わる。

このカードの分類は、生徒の考え方が素直に示され、とてもおもしろかったし、議論が白熱
しました。ただその後に配布された補助資料(小さな子どもが大人の信号無視をする様子
を見て、子どもの挑戦心に火を付け、信号無視をするという行為)を配布し、生徒に読ませる
と、「やっぱり信号無視は良くない」といった回答が多く示されます。ただ一人、「しっかり注意
すれば信号無視をしても問題ない」という生徒がいたのが、従来の道徳授業にはない?展開
のような気がしました。

最後は「予定調和」型道徳授業。法の目的やその法のメリット・デメリットを分析的に考察させる
法教育授業とは違う展開で、興味深く拝見しましたが、生徒は本当に「やっぱり信号無視はよく
ない」と考えているのだろうか?授業が行われた日に信号無視する生徒もいるだろうなあ。
道徳の目標である、道徳的実践力がこの授業で本当に養えているのだろうか??などなど、
いろいろと考えさせられました。
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by yasuhirohashimoto | 2013-09-15 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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