修士論文・考①

橋本ゼミ出身者による昨年度修了生の修士論文について考えるコーナー。



高木涼,個人金融教育を取り入れた日本の中学校社会科 公民的分野における金融教育の改善に関する研究 -『Financial Fitness for Life Grades 6-8』を手がかりにして-

同論文は、金融教育が金融システム学習になっており、子どもにとって「見えにくい」仕組み学習になっていることの問題性を指摘する。そして、その改善のために、「個人金融」に着目する。英国や米国の「個人金融」学習の特徴を諸論文から明らかにし、アメリカ合衆国の中学校用教材をその授業過程・カリキュラム構造を分析する。そして、日本への示唆(授業・カリキュラム)を明らかにする。

いわゆる、外国研究のカリキュラム研究である。オーソドックスな研究スタイルである。いずれにしても、我々日本人にとって目新しい研究内容になりやすいし、研究の意義も明確にしやすい一方で、日本の学習指導要領下における社会科への応用可能性は指摘しにくい研究になる場合が出てくる。今回の研究も社会科なのか家庭科なのか、日本の教科枠組みでは微妙な立ち位置になってしまう。橋本の研究が、院生時代、「道徳なのか?社会科なのか?」と特別研究の時間、口を酸っぱくっしゃったM先生の言葉を思い出す。ただ、社会科の枠組みをリジッドに語るからそうなるので、社会科の枠組み、教科観をどう捉えるのかによってはそうとも言えなくなる。社会科の思想は幅広く、それが社会科の面白さでもある。
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by yasuhirohashimoto | 2014-05-24 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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