「特別支援教育プロジェクト」学会報告。

過日、法と教育学会で、東京都立矢口特別支援学校での法教育実践について、
報告を行いました。




矢口特別支援学校の実践は、「ルールづくり」。
高等部1年の知的しょうがいを持つ子どもたちを対象とした授業。
まず、「決まりが無いために混乱している様子をイラストで示す」
「どんな決まりがあれば、混乱は無くなるのかについて生徒に問う」
これを場面を変えて繰り返し行います。例えば、「信号や横断歩道、
交通標識がないために、事故が起こっていて、道路を渡ろうとしても
渡れない女の子がいて、困っている」状況を示して、この状況を打破
するためにはどうすれば良いかを生徒に問うなどです。

次に、毎日行うゴミ捨て当番について、月曜日から木曜日までは一人
1回と決まっているが、金曜日の当番が決まっていない状況を示し、
生徒4人の置かれている状況をさらに示します。例えば、鼻炎で鼻紙
が机の上に一杯ある生徒(ゴミをたくさん出している生徒が、ゴミを
出していることを理由にその負担を負わせる)などを示し、誰がゴミ捨て
の負担を担うべきかを問います。

今回が学会発表では、テープ起こしをしましたので、生徒たちの生の議論
が提示できました。「ゴミをたくさん出しているのだから、〇〇君」といった、
問題設定にこだわりを持つ生徒たちの議論や、そうではなく、「平等」と
いった視点で、また、「弱者保護」といった視点で、決まりを新たに考案
し、「二人組(弱者と通常の生徒で作る)で交互に行く」といった決まりを
作成するグループもありました。

学会発表の際には、是非、自分が担任を持つ学級で授業を行って欲しいといった
ご意見を頂き、概ね、好評でした。また、以前特別支援学校の校長先生を
されていた先生から、「自閉症の子どもたちのその時の発言をしっかりポート
フォリオしておくと、後々になって、過去の発言の意味がわかってくること
があります」といったアドバイスも頂きました。

今年度も、東京都下の学校で実践を行うことになりそうです。引き続き、
子どもたちがどのような議論を行うのか、データとして残していきたいと
思っています。

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by yasuhirohashimoto | 2014-09-16 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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