主権者教育充実のこと。

18才選挙権に係わる法案が成立しました。



過日、H高校で教鞭を執るN君が研究室に来られる。
一通り、雑談をする中で、話題に出たのが「18才選挙権」。

既にご承知だと思いますが、現在文科省・総務省が「18才
選挙権」に対応すべく、主権者教育教材の開発に乗り出し
ており、その内容も時期をみて公表されるかと思います。

N先生は、「政治・経済」の授業で、政党の政策を読み解い
たり、する授業を展開される中で、ある政党の支持が多く、
その政党のマニフェストは、大衆受けし、結果として、生
徒は、表面的にしか、政策を分析できていないことを危惧
されていました。

ただ、一方で、特定の政党の支持が多いことを踏まえ、学習
を深めるために、別の政党の立場に教師が立って、仮に生徒
に「反論」すると、生徒は、教師の言うことを良く聞くので、
そちらの政党の支持に流れかねない。また、「反論」するこ
と自体が、教師の「政治的中立性」の問題と関連付けられる
危険性があるともおっしゃっておられました。

F新聞社の取材で、主権者教育の充実に関連して、政治家を
学校に入れ、政治討論することで、アクティブな主権者を
育てることの重要性を語りましたが、「冷水」を浴びた印象
です。

「政治討論」の前提となる学習が必要だということ。

その政治家がなぜそのような政策を打ち出し、そもそも、その
政党はどのような支持者で成り立っているのか、そういった、
政党が政策を打ち出す「背景」をしっかり学習させること、
そのことの重要性を直感的に感じました。

高校の「政治・経済」では、「現代の政党」を扱いますが、
その授業展開を充実させることこそが、主権者教育の充実には
不可欠ではないか、そう思い至った次第です。

また、政策を分析するために、そして、「中立性」を担保するために、
政策を分析する道具立てを提示する。例えば、法教育で学習する、
「目的の合理性と手段の相当性」などは政策を分析する道具にも
なり得るわけです。

あくまで、有権者として必要な「分析のための道具」の取得の
ための主権者教育、そうすべき、ということです。

「模擬選挙」「模擬投票」が流行ると思いますが、それだけでは
ない、何でもアクティブになれば良いというものではない。
そう考える今日この頃です。

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by yasuhirohashimoto | 2015-06-21 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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