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附属中学校授業研究会。

昨日、見出しの会が開催されました。

附属中学校では、毎年の研究大会前に研究大会で行う授業の検討を、そして、冬場に公開授業の検討を、助言者・協力者とともに行います。

今年は、K先生による中学校1年生を対象にした沖縄の授業。

前時のMQとして「なぜ沖縄の観光客が多いのだろうか」の授業が行われたので、今時では、その続きのMQとして「なぜ沖縄県は観光地として人気が高まっているのか」といったもの。

この問いに対して、資料を読み解きながら、付箋紙に自分たちの意見を書いて、グループで分類する作業を行います。教師から提示するカテゴリーは、「観光資源の保全」「宿泊施設の充実」「受け入れ体制の拡大」「情報・宣伝」「イベントの実施」「官民一体の誘客」「修学旅行の増加」「交通機関の充実」です。これらのカテゴリーを基にして、観光地としての条件を子供たちに考えさせるといった内容。

そして最後に沖縄県を事例として、福井県が目指すべき観光のあり方を考えるといった流れになります。

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批評会では、子供からの発言が、前時の問い「なぜ沖縄の観光客が多いのだろうか」にとどまっていたという意見等がありました。

私からは、「観光地としての人気がなぜ高まったのか」の発問をすると、比較の手法が入っていること。すなわち、「以前は~だったけれども、現在はこうなっている」といったことがわかる資料が子供たちに配布され、資料を読み解き、仮説を立てさせないと、観光地としての人気が高まった明確な根拠を子供が示すことにつながらず、子供の「想像」が言い分に入り込んでしまい、合理的な主張の構成を子供自身が出来にくくなること等をお話ししました。

例えば、「なぜ沖縄県は観光客が多いのだろうか」の後時間のMQとして「なぜ沖縄県は観光に力を入れないといけないのか」といった問いを立てて、観光客が多い理由を観光政策に焦点を絞り、考察させた後で、「観光に力を入れないといけない理由」すなわち、沖縄の「経済構造」が探求できる授業づくりが良いのではと指摘しました(中1には難しいかもしれませんが)。

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しかし多忙を極める附属にあって、新しいテーマで次々と授業を開発されているK先生には感謝申し上げます。いろいろな意見をふまえて、これからも良い授業づくりを心がけていただければ幸いです。
by yasuhirohashimoto | 2007-12-15 11:42 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto