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社会科系教科授業研究会 in 岡山

過日、見出しの研究会に参加してきました。

岡山大学のK先生が中心となって学内の予算で研究会を本年度立ち上げ、会は早くも三回目。

1回目はK大学のN先生のよる「憲法学習」の講演、2回目はH大学附属小学校のO先生による実践報告。今回は私が講演を依頼されていました。

演題は「学習指導要領改訂と法教育の導入」。
中教審でも「新しい教育課題」として「法教育」が取り上げられているということもあり、「法教育」への関心が高まっていることを示すかのように参加者が多く、盛会でした。なお会には、小・中・高等学校の先生方、大学院生・学部生、また、「法教育」の実践には欠かせないO弁護士会のY先生やM先生、岡山大学法学部のお二人の先生も参加されました。

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私は大きく四つの柱で講演しました。

(1)「法教育」の「3原則」(理念編)
(2)「3原則」に即した場合、授業はどのように構成されるのか(実践編)
   ①「配分的正義」の授業(松原市中央小学校による実践)
   ②「ルールのランキング」の授業(福井大学教育地域科学部附属小学校による実践)
(3)現行学習指導要領における「法教育」的学習の特徴と問題点
(4)学習指導要領改訂と「法教育」の導入

1時間という「短い」時間であったことと、私が少し話を詰め込みすぎた影響もあり、聞き手にとってはハードな一時間だったと思います。

講演後、教育センターのK指導主事から「社会科中心になるのか、周縁科目での対応になるのか。社会科であれば社会科担当教師の研修、また周縁科目で行うのなら、社会科以外のすべての教員の研修をどう構成するべきなのか。そもそも、社会科と社会科以外で何を担うのかについてはっきりさせないといけないのではないか」といった趣旨のご発言がありました。また、「社会科でどこまでを射程に入れて、法学習を構成するのか」「高校の場合、科目毎に細分化されている。例えば日本史や世界史の教員が法教育を行う場合、どうすればよいのか」等々のご指摘を頂きました。

前2つの質問については、法学習の科目毎の「差別化」をはかった上で(どのように「差別化」するのかについて、特に社会科と社会科以外の「差別化」については、私の著書をお読み下さい)、弁護士会との協働の基で行うといったことが望ましいといった趣旨でお答えしましたし、高校日本史や世界史の授業づくりについては私が昨年3月に編じた報告書が参考になるとお伝えしました。

また研究会では、広島B短大のN先生もご自身の博士論文の枠組みを中心にお話されました。

***
研究会の後、K先生のゼミの学部生やゼミ出身の現場の先生方と、K指導主事、Y弁護士、M弁護士、K大学のN先生と飲みました。なかなか楽しいひとときでした。
by yasuhirohashimoto | 2008-02-05 14:42 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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