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北陸三県弁護士協議会

昨日、「法教育の現状と弁護士会が関わる意義」と題する講演を行ってきました(野坂佳生先生とともに)。

私の方からは、法関連教育と「司法教育」「裁判員教育」の違いについて、①目標②内容(教材)③学習方法を視点にして説明し、具体的な法関連教育の教材例(「学校カメラ事件」;日弁連『自由と正義』所収の授業)について、弁護士先生を「生徒」に見立て模擬授業しました。

出された意見としては、模擬授業の内容について、「私の授業自体で子どもたちに求めている判断が表面的過ぎるのではないか」「実際の学校現場で起こりえる事件はもっと生々しいものである」などがありました。

子どもの判断に対して「公平・公正さ」を担保できる授業づくりが法関連教育では大切になります。「あまりに生々しかったり」「あまりに身近過ぎて、子どもたちが当事者になる」場合、子どもたちは「公平・公正」に判断することができるのでしょうか。子どもが「公平・公正」に判断できるように授業設計するにはどのような教材が望ましいのか。その教材を授業で扱う場合、どのような学習過程を組むことが「公平・公正」な判断につながるのか、この点を常に意識して授業づくりすることが肝要だと考えています。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-29 14:38 | 研究のこと | Comments(0)

京都にて

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今日は夕方から京都で打ち合せ。その後、賀茂川の辺に出張りました。風が心地よく、夕涼みにはぴったりですね。京都の夏は、蒸し暑く息苦しいようなイメージがあるのですが、私自身は、そんなに嫌いではなく。ここ数年、夏の京都を堪能しています。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-26 23:41 | 興味津々なこと | Comments(0)

高校の先生方と・・・③

先日高校の先生方との研究会を開催しました。今年も昨年に引き続き社会科(地理歴史科・公民科)で実施可能な「法」の授業開発を進めています。本日は本年度取り組むテーマが正式に決まりました。

■地理歴史科日本史 「人足寄場と矯正制度」
→現在の刑務所制度を吟味するために江戸時代後期の人足寄場制度を取り上げ、比較・検討する中で刑務所制度を「見直す」とともに人足寄場の同時代的意義を確認する。

■公民科「裁判員制度を批判する」
→現在導入されようとしている裁判員制度について、憲法上の論点や、裁判員制度を実現しようとする場合の背景にある法の原理・原則を踏まえた上で、諸外国の制度、日本の過去の陪審制度等と比較・吟味・検討する中で、国民の司法参加の在り方を探求する。

また「株仲間と独占禁止法」(日本史)「企業責任と法」(公民科)についても教材研究を進めることになりました。

今年度は、昨年度開発した授業、日本史「『生類憐れみの令』が天下の悪法である理由」 公民「直接民主制とレファレンダム」や他の授業事例も含め1冊の冊子にまとめる予定です。

作成した授業プランは学会発表しますのでご叱正頂ければ幸いです。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-26 07:41 | 研究のこと | Comments(0)

福井法教育研究会③

過日開催されました。今回の中心議題は「ジュニア・ロースクール福井2006」で行う授業実践について検討すること。特に2日目午後に実施する「日常場面における子どもたちに身近な紛争事例をどのように解決していけば良いのか」をテーマにした法授業について、その主題等が決まりました。

■2日目午後

法関連教育授業 

小学校クラス →  「みんながいやな仕事」

誰もが担当したくない(負担が重い)学級での係活動について、その係を決める決め方をジャンケンにすることの是非を吟味・検討する授業

中学校①クラス → 「これも悪口?」

身長順に並ぶことで常に一番前にいる子どもについて、その子の持っている不満を踏まえ、どのように並ぶことが公平なのか、そもそも「身長順で並ぶ」というルールが合理的なものなのかどうか吟味・検討する授業

今回の会議では、「負担の重い学級での係活動をどのようにしてその負担を配分するのかといった『配分的正義』に関する授業ではなく、その負担の決め方がジャンケンで良いのかについて吟味する『手続き的正義』に関わる授業で、配分と手続き両方を考える授業になり、子どもが学習するのには難しいのではないか」等といった意見が出されましたし(前者の授業)、「『ルールの合理性』を問うワークシート:法的思考に縛られれば、自由な発想で解決策が生み出されにくくなるのではないか」(後者の授業)等といった意見も出されました。

また中学校②クラスは、「中学生はもう大人?まだ子ども?」といったテーマで、「少年事件の多発化」から少年に対する「厳罰化」を進めるべきか否かについて検討する社会科的な法授業も行います。

なお1日目午前は「模擬紛争解決」で「フェニックス町内会は大騒ぎ」を行います。

日程は8月8日(火)・9日(水)9:30~ 受付開始  場所は、福井県教育センター

■お問い合わせ先 福井弁護士会 TEL 0776-23-5255 
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-24 12:32 | 研究のこと | Comments(0)

全国社会科教育学会③

全社学のHPにもアップしていますが、福井大会で自由研究発表申し込みをされた皆さんへ。

発表要旨作成のための要項は届いていますか?メールの場合16日(日)、郵送の場合は20日(木)には届いているはずです。未だ届いていない方は大会事務局(橋本)まで必ずご連絡下さい。

※本来、ブログにアップする内容ではないのですが念のため。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-22 15:57 | 研究のこと | Comments(0)

前期の講義から⑦

前期の講義も終盤。今日は「比較社会科教育」についてご紹介します。

今年度は、アメリカ社会科のうち、法関連教育をテーマに設定し講義・演習を行いました。

アメリカ法関連教育の学習論に沿って、様々作られているカリキュラム(プロジェクト)を取り上げ分析しその意義を考察したり、日本で行う場合どのようなカリキュラム・授業が考えられるのかについて、授業を鑑賞したり、指導案を吟味することで、検討してきました。

主に『テキストブック わたしたちと法』に掲載のレッスンを取り上げ、考察しました。

この講義を通して、これから現場で社会科教師として活躍されるだろう受講生の皆さんには、学習指導要領社会科が「絶対的」なものではなく、「相対的」なものであるという意識を持ってもらえたと思います。

諸外国との比較は、日本の社会科の批判的吟味のために行うべきであり、隔年開講のこの講義では、これからも中心的なテーマを決めて様々なカリキュラムや授業分析を行うことで日本の社会科カリキュラムの「在るべき姿」を追求していきます。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-22 15:51 | 教育のこと | Comments(0)

全国社会科教育学会②

前にも書きましたが、今年は福井大会です。

過日、自由研究発表の申し込みを締め切りました。

多数の発表申し込み、ありがとうございました。

厚く御礼申し上げます。

私の予想を遙かに上回る数の申し込みがあり、研究大会実行委員会のメンバーの中には「嬉しい誤算だ」とおっしゃっておられる方もいました。

発表内容も歴史教育や小学校社会科教育を中心にして多岐に渡り、「現代的課題」と言われる法関連教育や金融/経済教育の発表も目に付きます。

また今大会の中心的課題である「カリキュラムレベルと、単元/授業レベルからの社会科の再検討」を意識されたのか、カリキュラム研究が従前の大会よりも多い印象です。

大会プログラムは9月末に発送予定です。お楽しみにお待ち下さい。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-17 16:26 | 研究のこと | Comments(0)

前期の講義から⑥

本日「生活教材研究」で各班が作成した授業プランについて、附属小学校で実践しました。

実践したプランは以下の通りです。

■シャボン玉をつくろう(1年生)→子どもたちが作成した輪を用いたシャボン玉つくり
■食探しに出かけよう(1年生)→身のまわりにある草花を利用した食つくり(例:よもぎ餅)

■身近なモノで楽器をつくろう(2年生)→ストローやフィルムケースを用いた笛つくり
■ハーブと共に暮らそう(2年生)→ハーブを用いたせっけんやお茶つくり

いずれも「ものつくり」の授業でした。学生が教材を準備し、子どもたちにそれぞれの作り方を指導し、子どもは「見よう見まね」でものつくりを実践していました。

学生たちはこの授業を行う前に附属小学校の先生方と周到な打ち合わせを行い、子どもに「わかるように」説明する方法を確認したり、「ものつくり」のどの段階を子どもに実践させれば良いのか等についてレクチャーを受けています。

いずれの斑も準備万端で「うまく」授業は運べたと思います。

ただ、生活科の授業はこれで良いのか。これで十分なのか。少し生活科の「良い」実践を参考にしながらリフレクションする必要があるでしょうし、この授業は数時間で構成される単元のうちのあくまで1時間として考えて、この後の展開をどうすれば良いのか、より「生活科」の授業にするためにはどう単元構成すれば良いのかについて考える必要があるでしょう。

すなわちそれは、そもそもこの授業は「生活科」の授業なのか、「特別活動」的な内容ではないのか、といった視点です。「生活科」には「生活科」の“アイデンティティ”があるはずです。「生活科」の授業として構成するためにはどう授業展開をしなければならないのか。具体的な実践から「一般化」した生活科の「理論」を再確認してもらえれば良いと考えています。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-14 19:24 | 教育のこと | Comments(0)

日弁連市民のための法教育委員会①

先日、日弁連市民のための法教育委員会が開催されたので、上京しました。

昨年度から「協力者」という形で委員会に参画しています。

委員会では、主として全国の弁護士会による法関連教育の取り組み報告や、法務省・文部科学省の取り組みへの対応・評価、日弁連としての取り組みの在り方の検討を行っています。

各単位会(各地域の弁護士会)では今年の夏に小・中・高校生を集めて行う「ジュニア・ロースクール」(模擬裁判など)や教員対象の研修を行ったり、通年で法関連教育の授業作り研究会等を開催しているところもあります。

法関連教育への関心が高まるにつれて単位会での取り組みも盛んになっており、取り組みが「遅れた」単位会も「先進的な」単位会を「見習い」取り組みを始めています。

また当日は今年の夏に全国各都道府県で行われる法務省主催の「裁判員制度と法教育に関する研修」(教員対象、各地検で行われます)に出席し法関連教育について説明する弁護士さんを集めた「講習会」が開催され、100名規模で集まった各弁護士さんによって熱心な議論が行われました。

これからは一部に法関連教育に熱心な会員がいる単位会だけでなく、「全国展開」になりそうな勢いです。

今後、弁護士会の取り組みについてもこのブログで取り上げていくことにします。
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by yasuhirohashimoto | 2006-07-12 17:00 | 研究のこと | Comments(0)

『“法”を教える 身近な題材で基礎基本を授業する』刊行

私と野坂佳生先生(金沢大学法科大学院教授・福井弁護士会)との編著本を明治図書から出版します(7月10日予定でしたが、少しずれ込み、7月27日予定になりました)。

目次は以下の通りです。

まえがき

Ⅰ “法”の学習はどうあるべきか?

 一 社会科教育学者からの提案-市民が社会を構築する“法”学習の可能性-
    (橋本康弘)

 二 法曹関係者からの提案-身近な問題を原理原則から考える学習の必要性-
    (野坂佳生)

Ⅱ 社会科における“法”の授業

 一 “法”関係のニュースを扱う授業            

  1. 裁判員制度 (磯山恭子:静岡大学)
  2. 個人情報保護法-個人情報保護とプライバシー-
      (館潤二:筑波大学附属中学校)
  3. ロースクール (樋口雅夫:広島大学附属福山中・高等学校)

 二 “法”を理解し“法”を反省する授業
             
  1. 中学校の事例-地理的分野『イスラームからみた日本の刑法』-
      (藤瀬泰司:佐賀大学附属中学校)
  2. 中学校の事例-歴史的分野「ケンカ両成敗って正しい?
      ~封建時代の法について考える~」-
      (奥山研司:大阪教育大学附属高校平野校舎)

 三 “法”を理解するとともに“法”を批判する授業

  1. 高等学校の事例-法的論争問題 少年法の授業-
      (高林賢治:広島大学附属中・高等学校)
  2. 高等学校の事例-法的論争問題 外国人参政権の授業- (橋本康弘)

Ⅲ 関連教科における“法”の授業

一 紛争を解決する授業   

  1. 小学校中学年の事例-何が公平・不公平?-
       (菊池八穂子:金沢市押野小学校)
  2. 小学校高学年の事例-誰に責任があるのだろう?-
       (小林秀行:埼玉県騎西町立騎西小学校)
  3. 中学校の事例①-ペナルティを考える- (大橋巌:福井市至民中学校)
  4. 中学校の事例②-キャプテンを決めよう- (永田賀保:福井大学附属中学校)

 二 社会に参加し提案する授業
    
  1. 小学校の事例-町の問題を解決しよう「へらそう放置自転車大作戦!!」-
      (白木一郎:福井大学附属小学校)
  2. 中学校の事例-社会の問題を解決しよう
      「マンション建設を変更する解決案をつくろう」-
      (向当誠隆:福井大学附属中学校)

Ⅳ 新たな“法”学習のすすめ (大杉昭英:文部科学省)


私の「法関連教育」の学習類型の基で、具体的にどのような授業が可能になるのか。
執筆者の先生方には短期間で鋭意取り組んでいただき、授業案を作成頂きました。
ここに厚く御礼申し上げます。

また福井県弁護士会の先生方にはⅢ章一の授業を作成頂き、それを基に執筆者が若干の訂正・指導案化を図りました。福井弁護士会の先生方のご協力に感謝いたします。

ご興味のある方は、購入いただければ幸いです。


http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/mikan.html (明治図書・近日刊行)
http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shinkan.html (明治図書・新刊案内)


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by yasuhirohashimoto | 2006-07-01 10:39 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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