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今年のできごと

いよいよ年が暮れようとしています。今年最後の日記です。
ということで、今年の主なできごと2つに絞ってまとめることで今年の日記を閉めたいと思います(他にも書きたいことはあるのですが、もっと長くなりますので;苦笑)。

□今年は、法関連教育の理論研究よりも実践研究を中心に取り組んできました。

→昨年に引き続き、福井の高校の先生方とご一緒して、「法批判学習」や「法反省学習」に関する教材作り・授業実践の他、今年は、先日検討会を行ったように、佐賀や広島の先生方とも教材作りを進めてきました。過日の日記にも書きましたが、年度末にこれらの取組をまとめた報告書を出す予定にしています。

→弁護士の先生方との教材作りについては、野坂弁護士を始め福井弁護士会の諸先生方や福井・金沢の小学校・中学校の先生方とご一緒して、「紛争(トラブル)解決学習」の領域に入る授業プランを小学校や中学校を対象としたものとして作成してきました。特に今年は、「紛争(トラブル)解決」の方法論を法学的に整理する研究も並行して進めてきました。

→野坂先生との共編著本『“法”を教える 身近な題材で基礎基本を授業する』を出版しました。

→大阪・松原市中央小学校で主として4年生と6年生の法学習(カリキュラム)設計に助言してきました。この小学校での授業は、いずれも「紛争(トラブル)解決学習」の領域に入るものです。先生方の「熱心さ」から「私もしっかり頑張ろう」という意欲を頂くことができました。

→助言指導や講演やシンポジウムに関与する機会が昨年に比べ激増しました。法関連教育に関するものばかりですが、いずれもチャンスを頂いたお陰で、これまで気付かなかったことに気付くことができ、自分の研究にとっても大変有意義なものばかりでした。


□全国社会科教育学会福井大会を開催しました。

→学会準備は、ちょうど2月くらいから。研究大会の企画・立案がスタートでした。例年になく魅力的なテーマを。そしてこれまで取り上げていないシンポや課題研究の設定を・・・と色々悩みながら・・・結果として「21世紀社会科の革新」を大会テーマとし、シンポをこれまで授業レベルでは議論しましたが、カリキュラムレベルでは議論してこなかった様々な「知」を観点にした社会科構成論を取り上げました。シンポジストの皆様には大変ご苦労をお掛けしました。ここに改めて御礼申し上げます。そして、課題研究は「学びの共同体」「社会システム」「公共性」「リテラシー」で構成しました。企画テーマが決まれば、シンポジストや課題研究コーディネーターの人選。依頼。大会案内作成・・・・とずっととぎれることなく、業務が続きます。そして大会1ヶ月前になると、ほぼ毎日、大会準備業務が入ります。そして大会当日。大会参加者も400名を遥かに超え、盛会となりました。大会の準備では、本学学生さんのご助力が無ければ到底なし得なかったことだと思います。いくら感謝しても感謝しきれないのではと思っています。なお大会の残務は未だ続いています(苦笑)。

来年の抱負は年明けに。今年も「橋本のひとりごと」を読んでいただいてありがとうございました。皆様が迎える新しい年が良い年でありますよう祈念しています。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-31 17:33 | 研究のこと | Comments(0)

高校の先生方と・・・⑦(広島編)

過日、広島の高校の先生方(大学の先生)とご一緒に、今年度末に作成する法関連教育研究報告書の原稿について検討を行いました。

この報告書は、福井の高校の先生方が作成した地理歴史科・公民科で実施可能な法授業プランと広島県や佐賀県の先生方が作成されている授業プランを一緒にして作成するものです。

今回は、広島県の先生方が作成されている授業プランについて検討を行いました。授業プランの内容は以下の通りです。

■世界史の事例「1791年憲法と女性の人権宣言」
→1791年憲法(フランス人権宣言を明文化したもの)と女性の人権宣言について、それぞれの法制度の機能を分析する中で、それぞれが「自由主義的法制度」と「社会主義的法制度」として位置づけられることを理解すると共に、フランス革命時の法制度の潜在している機能を明らかにし、法制度の今後の在り方を追究する授業。

■日本史の事例「民主主義を機能させるためには何が必要か」
→大日本帝国憲法に規定される「議会における発言の自由」が機能していた歴史的状況から、「議会における発言の自由」が機能しなくなる歴史的状況へ「変化」していくプロセスを資料を基に探求することで、「民主主義が機能しなくなる」条件(一般的説明的知識)として、「政府(軍部)による巧みな情報操作と煽動」があることを理解する授業。

■公民科の事例「著作権」
→日本やアメリカの「著作権法」を分析する中で、「著作権」のあるべき姿について、論点を整理しながら、考察する授業。

検討会は、2時間を予定していましたが、熱心な議論もあり、30分程度超過しました。検討の詳細は記しませんが、検討の内容を踏まえ、今後指導案化を進めていくことになります。最後に会議の準備をして頂いた、高林・宮本両先生(広島大学附属高校)に感謝申し上げます。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-29 16:44 | 研究のこと | Comments(0)

新たな研究テーマへの取組

昨日、野坂弁護士・白木一郎先生(福井大学附属小学校)とご一緒して、今後作成する小学校での法学習プランについて、打ち合わせしました。その結果以下のテーマで授業づくりに取組ことになりました。

◇法原理「私的自治」の「知的理解」を促す授業づくり◇

これまで、本学附属小学校では、研究大会の折りに、身近なトラブル(紛争)を子どもたちに解決させるための教材作りを行ってきました。特に昨年度は小学校4年生を対象に、配分や匡正(きょうせい)、手続きに関する身近な事例(学校の事例)を題材に「知的道具:問題解決のための観点」を用いて問題の解決策を考える授業づくりを行いました。これらは私の学習区分では、「紛争(トラブル)解決学習」(何が「公正」かを考えつつ紛争解決を行うことを目的とした学習)に位置付くものです。今回は、「私的自治」の法原理について、「私的自治」について何が「わかれば」その法原理が「わかった」ことになるのか。私的自治の原則を更に「細分化」し、私的自治に関する「知の構造図」を踏まえた上で、学年配当(カリキュラム設計)を考え、各学年段階に合わせた授業づくりを行うといったもので、私の学習区分では「法原理理解学習」に位置付きます。

私的自治の原則に関する「知の構造図」作成は、野坂弁護士。カリキュラム設計は橋本が、そして具体的な授業プランは白木先生(私や野坂先生も助力)がといった役割分担で研究を進めていきます。

とりあえず2月の研究大会で、低学年用の授業プランを作成・実施します。しばらくは「手探り」で進めていくことになります。

野坂先生、白木先生、どうぞ宜しくお願いいたします。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-26 19:17 | 研究のこと | Comments(0)

卒業論文中間発表会

昨日、寺尾ゼミと橋本ゼミ共同の「社会科教育・卒業論文中間発表会」が行われました。
本年度、4名。各人が20分発表し、その後、10分間、質疑・応答を行います。
以下が、卒業論文のタイトルです。

■NIEを活用した社会科授業の研究-読解力の育成を中心にして-
■地図を活用した社会科授業の提案
■教科書を活用した社会科授業構成の研究
■子どもの思考を活性化する社会科授業の研究
 -発問による子どもの思考体制の主体的変革に焦点をあてて-

いずれも4回生が、それぞれの問題意識の基で主体的に研究を進めているものです(教官の「押しつけ」ではないと言う意味です)。私の方からは、「一人の論に頼るのではなく、少し『幅を拡げて』研究を進めること」「学年段階を絞った研究の場合でも、小学校や中学校、高校ではどのような力を育成するべきなのかといったことを『想定』に置きつつ研究を進める必要があること」等を指摘しました。ただ、いずれも時間に制約があるので、時間も考えながら「できる範囲」でまとめてもらえればと思っています。

3回生は、次回の最終発表で「今後研究したいこと」を発表する必要があります。しっかり考えておいてください。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-24 11:10 | 教育のこと | Comments(0)

博多にて。

昨日から福岡・博多を訪れています。

今年度末に昨年度・今年度と福井の高校の先生方と一緒に作成した「法反省型」授業(地歴科日本史)と「法批判型」授業(公民科)と共に、全国の諸先生方に作成依頼した他の授業例、世界史の「法反省型」授業と併せて、研究報告書を作成します。

昨日は「法批判型」授業の作成を依頼している先生から研究の「進捗状況」の説明を受けるために博多へ伺いました。

この先生は、国際法の授業づくりに取り組んでいます。詳細はまたこのブログで紹介します。

年末に前述の検討会を今度は地元・広島で行います。諸先生方、どうぞよろしくお願いいたします。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-17 20:03 | 研究のこと | Comments(0)

模擬裁判甲子園①

過日、見出しの件を担当する当該会議に出席しました。

来年度夏休みに参加高校を募って、見出しの催しを実施する予定です。実施予定内容は、

■生徒たちによる模擬裁判員裁判の実施
→高校毎に検察側・弁護側に分かれてシナリオに基づいた模擬裁判を行う。
■採点の実施
→裁判官役の弁護士が(1)総得点での学校間順位(2)個別演技得点の二通りで採点をする。

今後詳細を煮詰めていくことになるので、若干の変更はあると思います。ただ、「裁判員教育」としての「模擬裁判」ではなく、「法関連教育」としての「模擬裁判」になるように。すなわち、「裁判員」として持つべき技量(事実認定の「訓練」など)に焦点をあてるのではなく、「裁判」の過程に内包する刑事裁判の「原理」、そしてその「原理」が裁判にどのように反映しているのかが「模擬裁判」を通してわかるように組織されるべきです。何のために「模擬裁判」をするのか、その「原則」を忘れないように、「模擬裁判甲子園」が実施されることを望んでいます。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-15 11:44 | 研究のこと | Comments(0)

日弁連市民のための法教育委員会③

昨日テレビ会議システムを使い、行われました。

テレビ会議システムは、双方向でそれぞれの箇所の画像や音声が交換できるもので、昨日は全国5カ所(東京・大阪・名古屋・札幌・福岡)と結んで実施されました。

昨日の主な議題は、

①全国の単位会の取り組み報告
②市民のための法教育委員会が編集し岩崎書店から来年春に出版予定の「はじめての法教育 みんなでくらすために必要なこと」の検討
③台湾から来日されているハン・ポチェンさんとの懇談でした。

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ここでは岩崎書店から出版予定の書籍について、紹介します。

これは小学校中学年から高学年を対象にした絵本で、

1巻 自由てなんだろう
2巻 責任ってなんだろう
3巻 ルールってなんだろう
4巻 公平って何だろう
5巻 正義って何だろう

と題される予定のものです。いずれも法教育委員会に関わっておられる弁護士の先生方が、いずれの問いの答えをわかりやすく子供たちに伝えることを目的とし構成されています。詳しい内容については、出版された書籍をごらんになって頂ければと思いますが、いずれの巻もアメリカの「法教育」テキストFoundation Of Democracyを参考にしたもので、 日本版のFoundation Of Democracyといったところでしょうか。なかなか面白くできあがる予定なので、是非一読をおすすめいたします。ただ出版はまだ先ですが・・・

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私の方は昨日、この会議のために上京しており、明日も東京での会議があるためそのまま東京滞在中です。せっかくの東京ですが、パソコン打ちつつ仕事しています。最近よく利用しているウィークリーマンションより。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-09 17:24 | 研究のこと | Comments(0)

大阪府松原市中央小学校・研究集会

過日、見出しの会が中央小学校で開催されました。
今年度、同小学校にはこれまで3度伺って「法教育」の授業実践やカリキュラム設計について助言してきました(これまでのブログを参照下さい)。

そして、「本番」の研究集会。

同小学校はこれまで人権教育の取り組みを重視してきました(昨年度・今年度と文部科学省委嘱の「人権教育指定校」でした)。これからは人権教育に加えて「法教育」にも取り組んでいこうとするもので、研究集会のタイトルは「人権教育と法教育のコラボレーションがはぐくむ力」と題されました。

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当日の公開授業は、中央小学校③と④のブログで示した授業をアレンジしたもの。小学校4年生は、「ひょうたんの配分をめぐるトラブル」を「配分的正義を考える上での観点:ツール」を用いて子どもたちが解決していく授業。小学校6年生は、人権と人権が葛藤する場面設定の中で人権の「調整」をする過程で想定される問題解決策複数を子どもたちが1つ選び、選んだ理由を発表するといった授業。いずれも教材に含まれる登場人物を少なくするなど、要素を減らし、前回の研究授業(中央小学校③と④)よりも授業のねらいをはっきりさせたものでした。授業のねらいをはっきりさせたので、参観者も教師が子供に何を求めているのかがはっきりわかったと思います。また、パネルディスカッションの際にもお話ししましたが、6年生の授業については、人権の学習を抽象的な学習ではなく、人権の「調整」の学習として設計することで「社会」そのものの学習となっていたこと等が評価できると思います。


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ただ6年生の授業については、法的な考え方を教師が十分持ち合わせていなかったために、権利の「序列」をうまく子供に伝えることができませんでした。すなわち、「障害者の人権」と「健常者の所有権」の葛藤場面で授業中、子どもたちは「健常者の所有権」を重視しようとした時があり、その場面での教師の対応が不十分だったということです。この後の授業展開でその点、フォローしていると思いますが、「法教育」の場合、教師による法的な考え方の習得が必要性を実感した場面でした。

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公開授業の後のパネルディスカッションでは、人権教育の専門家と府教委の担当者、そして私の間で、先述した「人権教育と法教育のコラボレーション」について意見を表明しました。私の方からはそもそも「法教育とは何か」といった説明や、「これまでの」人権教育と法教育との一致できる点と決定的に違う点についてお話ししました。

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会は500名を上回る参会者で大変盛況でした。これも先生方の先進的・そして専心的な取り組みが地域に知られている成果だと思います。今後の課題は、現在同小学校が仮説として持ち、実施している4年~6年生までの「法教育カリキュラム」の精緻化です。また同小学校の子どもたちの多くが進学する松原市第三中学校での「小・中一貫した法教育カリキュラム」の設計が望まれます。第三中学校の先生方、期待しています。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-09 17:05 | 研究のこと | Comments(0)

法教育シンポジウムin大阪

過日、見出しの会が開催されました。

同シンポジウムは、法務省・文部科学省や最高裁判所、日本弁護士連合会が主催し行われたものです。

私もパネルディスカッションに加わりました。

会は、大杉昭英文部科学省視学官による「基調講演」の後、大阪・阿武野中学校での「法教育実践」や福井弁護士会による「『親子教室』での法教育実践」の取組報告があり、最後に、「地域社会と共に築く法教育の実践のために-大阪での取組を一例として-」と題するパネルディスカッションを行いました。

参加者は200名程度。参加者の3分の1が弁護士の先生。次に多かったのは学校の先生、また一般の方々も多数参加されていました。

参加者の多さは「法教育」への関心の高さを示すものとなったと思っています。

シンポの詳細については、朝日新聞の11月29日版に掲載されていますし、近々同新聞電子版に掲載される予定です。詳しくはそちらをご覧下さい。
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by yasuhirohashimoto | 2006-12-05 16:49 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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