<   2010年 02月 ( 6 )   > この月の画像一覧

松原市三中校区授業研究会(201002)

過日、見出しの件で、三中校区の布忍小学校を訪れました。

12月にも授業研究会で助言をしたのですが、今回は、小学校1年生と5年生で「法教育」授業を展開するということで、お邪魔しました。行われたのは以下の授業です。

■「にこちゃんルールを考えよう」(1年生)
■「プライバシーについて考えよう」(5年生)

また、私が助言を担当しませんでしたが、同日行われた以下も「法教育」授業です。

■「じゃんけんで決めていいこと・いけないこと~公平なルールづくり~」(3年生)
■「人にやさしい街作りをしよう」(6年生)

5年生の授業は、私が編者の書籍「身近な~」をヒントに作られた授業です。ただ、この授業は私の勘違いで拝見できませんでした。講評の際に、子どもたちが記したワークシートだけでこの授業を評価せざるを得ず、申し訳ないことをしました。

結局、拝見できたのは1年生の授業のみでした。1年生の授業は、「みんなで楽しく遊ぶ」ことを目的とした遊びのルールについて、そのルールを作る際の手続き(対象者全員で納得する必要性)や、そのルールの目的を最大限達成するためのルールのあり方(みんなが守ることができるルールにするべき)について子どもたちに理解させようとする授業でした。また子どもたちが作った遊びのルールを前述の二つの条件から評価し、評価できるものについて「ニコちゃんルール」の称号?が与えられるといった授業構成を採用することで、二つの条件を子どもたちに再確認させていました。

最後に発表した班の中には、「自分は納得していない」と主張する児童がいました。「なぜ納得していないのか」というと、「自分(当該児童)の言うことを聞いてくれていない」という理由。講評でも言いましたが、ここで、たとえば、「みんなで決める」とは具体的にどうすることなのか、を問うことで児童の主張から学習内容を「掘り下げる」ことができるのではないかということです。

b0091443_1822642.jpg


b0091443_1822241.jpg


しかし、布忍小学校(中央小学校もですが)はよく頑張っています。1年生から6年生までで「法教育」授業を展開しようと、カリキュラムづくりに専心しています。特に、先行している中央小に負けじと、オリジナリティのある授業づくりを行っています。

今年11月11日にはこれまでの三年間(文科省指定)の「集大成」というべき、三中校区の研究発表大会があります。開かれた大会ですので、一般参加可能ですよ。

**************************
明日から社会系教科教育学会です。明日は本学の学生たちと一緒に車で兵庫教育大学に向かいます。早朝出発、雪模様なので安全運転で行きましょう。
[PR]
by yasuhirohashimoto | 2010-02-19 18:26 | 研究のこと | Comments(0)

卒論最終発表会(審査会)2009。

本年度の社会科教育部門の卒論最終発表会(審査会)を昨日行いました。
今年度のテーマは以下の通りです。

■開かれた歴史解釈学習の研究(築田美佳)
■現代社会に求められる学力育成のための社会科教育の研究(加藤綾子)
■外国の教科書を使った歴史授業の開発(飯田昌弘)
■ワークショップ型の社会科授業の研究(高村友佳子)
■社会科の求める学力観と評価方法(森崎岳洋)

前者二人は私のところのゼミで、後者三人は寺尾ゼミ所属です。
同会は学部の二回生以上であれば自由に誰でも参加が可能です(まあこれも慣例ですから、一回生からでも参加可能にしても良いかなと思います)。

各人が20分発表し、10分程度の質疑・応答を行い、最後に橋本ゼミ所属学生の場合は寺尾先生が、寺尾ゼミ所属の学生の場合は橋本がコメントをします。この発表会は審査会も兼ねていますので、発表内容を踏まえ、両人(寺尾・橋本)が協議して成績をつけることになります。

いずれの卒論も、社会科教育学分野でタイムリーなテーマを取り上げており、各人それなりによく頑張っていたと思います。築田さんの発表の場合は、「一次資料をできるだけ探し授業を作る必要性があること(それを再確認すべきこと)」、加藤さんの発表の場合は、「社会参加型社会科授業として作成した単元の一つ一つの授業で何を学び、その学びを踏まえどう次の授業に生かしていくのかといった『段階性』を明らかにすることが必要なのでは」ということについて寺尾先生から指摘がありました。その通りだと思います。また飯田君の発表の場合は、「韓国と日本の歴史教科書の『単純比較』は、それぞれの教科書がどのような社会科教育の論理で作られているのかを踏まえないと、そのままの比較は『危険』な場合があるということ(それを再確認すべきこと)」、高村さんの発表の場合は、「『ワークショップ型社会科授業の研究』というタイトルでありながら、『ワークショップ型授業の研究-社会科授業を事例に-』といったテーマに近い研究になっていること、すなわち、示される授業づくりの条件が一般教育学的な内容になっており、社会科教育学的な内容になっていないこと、もっと言うと、授業づくりの条件が社会科以外の国語や理科などにも当てはまる内容になっていること、社会科の固有性を示す条件になっていないこと」、森崎君の発表の場合は、「合理的意志決定能力を測るテスト問題を、『意志決定過程を子どもが正確に辿ることができるのかを確かめることが可能な問題』と定義し、問題を作成しているが、作られた設問(資料)を使って合理的意志決定能力を測る問題以外も作成可能であること」などを私から指摘しました。いずれも研究上の課題ですので、現場での実践を踏まえた修正も含め、今後卒論の内容を発展させていただければ有り難いと思っています。

b0091443_1673791.jpg

b0091443_1674514.jpg


*********************
卒論発表会の後は恒例の「慰労会」です。いつものように今日は二日酔いに苦しんでいます。
[PR]
by yasuhirohashimoto | 2010-02-14 16:08 | 研究のこと | Comments(0)

ようやく。

後期の講義が終わり、成績処理も若干を残すところとなり、ようやく研究の時間がとれそうです。

先月末から本当に忙しく、特に「社会科フォーラム」前は、卒論・修論の締め切りとも重なり、最終盤に入った講義も含めタイトなスケジュールで、フォーラムが終わった後は、どっと疲れが出ていました。

まあ若いうちは、1日ぐっすり寝れば、回復していた?のですが、アラフォー寸前にもなると、1日では回復せず、ずるずる1週間(千葉出張もありましたし)。

今週になり、体調回復。講義はなくても事務仕事はありますが、時間に余裕が出てきました。
ようやく来週日曜日の学会準備にとりかかれそうです。

ただ今日はこれから卒論発表会。社会科教育ゼミ諸君が中間発表の時からどれだけその内容を充実させたのか、しっかり確かめたいと思います。

******************************
本学部の「教員養成スタンダード」の作成が本格化してきました。若手の研究者が率先してリーダーシップを取り、研究的にスタンダードを作成しようという試みは最先端をいく?本学部らしいですし、私も興味深く感じています(できるだけ協力しようとは思っています)。が、果たして。。
[PR]
by yasuhirohashimoto | 2010-02-13 12:02 | 雑記 | Comments(0)

千葉大学教育学部附属小学校研究大会(2010)

過日、見出しの研究大会に参加してきました。
以前もこのブログで紹介しましたが、同小学校の社会科は、「法」を素材に社会科授業を作り、実践しています。

今回の大会で行われた授業のテーマは以下の通りです。

(1)4年生「千葉情報を発信」
(2)3年生「安全なくらしをまもる」
(3)6年生「わたしたちのくらしと日本国憲法」
(4)5年生「わたしたちの生活と情報」

(1)は千葉県の条例によって、アンテナショップを出店する計画があることを子どもたちとともに確認した後で、アンテナショップを出店する目的や、その構成をどうするべきかについて考案する授業です。(2)は「地域の安全な生活の維持と向上」を図るための取り組みとして「子ども110番の家」があることを確認させ、小学校近辺の分布図(近辺にもたくさん存在する)と登録推移数のグラフ(増加のグラフ)を示し、安全な暮らしを守るための取り組みが行われていること、そして、その取り組みの一環として地域安全ボランティアが存在することを理解させる授業です。(3)は自分自身のプライバシー問題について考えさせた(携帯電話を他人に見られたいか否かなど)後で、社会のプライバシー問題(ストリートビュー、「首相の一日」、連絡網)を取り上げて、プライバシー保護のあり方を考えさせる授業です。(4)は残念ながら福井に戻る必要があり拝見できませんでしたが、概要は、震災後生じた問題(救助の遅れ、デマなど)について確認した後で、このような問題を起こさないためにはどのような情報伝達システムが必要なのかについて考えさせ、最後に「神戸市民の安全の推進に関する条例」を提示し比較・検討する授業のようです。

(2)や(3)は、法を教える、法(きまり)のあり方を考えるまで射程に入れている、といった点で、法学習なのでしょうが、(1)は法を教材にしているだけ?のような印象です。

(3)については、「法」を教えるのか、「法機能」を教えるのか、で授業構成は異なってきます。おそらく後者なのでしょうが。結局、何を教えるのか、その場合、段階を追って教える必要があるわけで。その段階性が見えにくくなっているような気がします(批評会に参加できなかったのが残念です)。

今後も同小学校の取り組みには注目していきたいと思っています。
[PR]
by yasuhirohashimoto | 2010-02-11 10:51 | 教育のこと | Comments(0)

社会科・地歴科・公民科教育研修会「福井」のご案内。

今月2月23日(火)ですが、社会科・地歴科・公民科教育研修会「福井」を開催いたします。

主催は、福井大学教育地域科学部社会科教育研究会。寺尾健夫先生に代表になって頂き、今後、この研究会を中心に、社会科教育学に関する現職対象研修や、授業研究会など、様々な取り組みを行っていくことになります。

今回は第一回目の研修会。講師としてお二人の著名な先生をお招きすることになりました。

お一人目は、京都大学大学院教授で、憲法学者の土井真一先生。先生は、法務省の「法教育研究会」「法教育推進協議会」座長や、中央教育審議会教育課程部会委員、高等学校地歴科・公民科専門部会主査など、ご専門の憲法学だけでなく、教育分野でも幅広くご活躍の先生です。先生には、「なぜ憲法が必要か」をテーマにワークショップ並びにご講演をお願いしています。ワークショップでは新学習指導要領公民科「現代社会」や中学校社会科公民的分野にも適する新しい教材を提示して頂くことになっています。

お二人目は、岐阜大学教育学部教授の大杉昭英先生。先生は、新学習指導要領の中学校・高等学校全般のグランドデザインを担われており、「新教育課程のめざすもの」といった少し「大きな」テーマでお話頂くことになっています。これから話題になるだろう、新教育課程の評価、評価基準のお話もして頂ければ有り難いなあと個人的には思っています。

詳細は、以下をご参照ください。

http://www.f-edu.fukui-u.ac.jp/~yhasimot/fukui_syakai2010.pdf

現職中学校・高校の先生方や、本学の学生を主な対象としていますが、参加はオープンですので。関心のある方はご参加頂ければと思います。


来年度以降は、年に何回か、今回は公民領域が中心になりますが、地理や歴史、小学校社会も射程に入れつつ、ご講演やワークショップを行っていきたいと思っています。特に現場の先生方が欲しておられるのは、具体的な良い教材、授業だと思いますので、ワークショップでは先生方をお相手にした模擬授業をどんどん取り入れていきたいと思っています。今回は平日開催ですが、今後は土曜日開催にしたいと考えています。
[PR]
by yasuhirohashimoto | 2010-02-07 12:54 | 教育のこと | Comments(0)

社会科フォーラム in 福井。

過日、見出しの会が開催されました。

開催まで「紆余曲折」を経ました。
新型インフルエンザによる入試日程の変更で、会場を大学から別会場に移す必要性もありました。
目標参加者数は300名でしたので、300名規模の会場を福井市内、そして遠方からお見えになる方々にも交通の便のよい場所を探す必要が出ました。
福井市内には、500名規模の会場はそう多くなく、当日何かしら行事が入っているところもあって、なかなか適当な場所が見つかりませんでした。何とか、福井市民福祉会館の大ホールを確保できましたが、それもたまたまインターネットで同会館の存在を知ることができたお陰です。

また、会場が変更になった関係で、当日授業を受ける子どもたちの「動員」をどうするのか、バスで移動するのか、保護者の方へ引率をお願いするのか、といったこと。そして、何より、同会館には駐車場がなく、どうしたものかと思っていました。当日、同会館前の東別院駐車場が空いていたので、借用でき、安心できました。

当日の運営については、授業者がスマートボード使用を希望していたこともあり、それへの対応に苦慮しましたが、TOSS福井の先生方のご支援もあり、授業者のご希望通りに授業を行うことができましたし、当初授業を行う予定だった河田先生がご家族のことで、欠席することとなり、急遽代役として、吉田高志先生が授業を行うことになりました。代役をお引き受け頂いた吉田先生には感謝申し上げます。また、本学附属小・中学校の諸先生方や保護者の方々のご協力もあり、児童・生徒の「動員」もうまく運ぶことができました。午後のパネルディスカッションも進行役の明治図書・H部長の軽妙なやりとり(「毒」入り)で面白く展開できたと思います。

提案された授業の内容についての私の感想は以下の通りです。

■「代役」吉田先生による裁判員の授業
→法務省が提示している模擬裁判シナリオ(大阪地検が以前作成した窃盗・傷害の事件)を利用しつつ、その裁判での論点を絞り、その論点についてどう考えれば良いのか判断させ、最終的には、裁判員制度の存在意義を子どもたちに考えさせようとする授業だったのですが、45分ではなかなか難しかった。模擬裁判に時間をとられたことや、何より子どもが事実を読み解く授業に全く慣れていないので、とんちんかん?な回答が出ていたこと、最も大切にしないといけない裁判員制度の存在意義を十分に考える時間がとれなかった点が残念でした。

■谷和樹先生によるスケッチアップを使った地誌の授業
→富士山の噴火からハザードマップの必要性につなげていく授業。最初の導入?部分は、古今和歌集に富士山の歌が多く、それはいずれも恋の歌であるといった、一見ハザードマップにはつながらないネタだった訳ですが、「なぜ恋の歌ばかりなのか?」とつなげ、「富士山が噴火を繰り返していたこと」を取り上げます。そして、富士山には木花昨咲耶姫(このはなさくやひめ)という神様がいて、それは火の神様なのか水の神様なのか、を子どもたちに問います。子どもからは「噴火を沈めて欲しいから水の神様」とかむしろ、「火を沈めるのは火の神様だ!」といった意見が次々出てきて、最終的には火の神様でもあり水の神様でもある。そして、富士山の神様には位階も授けられており、さらにこの地域には噴火にまつわる数多くの地名もある。そういった事実を提示した後、この地域には現在、「富士山ハザードマップ」があるんだ(必要なんだ)!そのハザードマップはどのようなものなのかについて、スケッチアップやグーグルアースを利用しつつ、ハザードマップを子どもたちに見せ、その内容を理解してもらった後で、ハザードマップの意義につなげていくといった流れです。岩田先生が教材研究がしっかりできていた「見事」な授業と評されていました。私自身は、「問いをつなげるうまさ」「意見がうまく分かれる(火の神様や水の神様の事例)問いを出していること」「そもそも全く関係ないと思われる導入?から最終的にハザードマップにつなげて、福井市の場合(洪水対応のハザードマップ)にも話をつなげる巧みさ」を挙げてこの授業を評した次第です。ただ、ご本人もおっしゃっておられましたが、授業のメインはハザードマップなので、そこにもっと力点を置くべきだったのではないか。といったことは反省点なのでしょうね。

■原田智仁先生による「領土問題の授業」
→私にとっての「メインイベント」。日本の領土問題である「北方領土問題」「尖閣諸島問題」「竹島問題」が発生した因果関係を歴史的に解明し、その問題の現在を説明していく授業。そして、最終的には、領土問題の解決策には三パターンあり、A話し合い、B軍事力の行使、C国際司法裁判所への提訴があること。それぞれは解決に本当に役立つのかを子どもたちに考えさせる授業でした。科学主義社会科の典型事例のような授業でしたが、子どもたちの反応が中学生ということもあり悪く、前2つの授業に比べれば、子どもたちの動きがない授業でした。ご本人は卑下されていましたが、中学生ですから、そして、突然大学の先生がお見えになった授業の受ける訳で、大人しいのは当然だと思います。生徒たちの感想は「この問題の本質がよくわかった」といった趣旨のものばかりで、とても高評価だったのです。


3つの授業については、明治図書H部長のブログにも掲載されていますので、是非ご参照下さい。
http://edublog.jp/

午後のパネルディスカッションについては、長くなりそうなので、省きます(写真だけ載せます)。

b0091443_1143277.jpg


すぐにこの件、アップしようと思っていたのですが、疲れが抜けず、しばらく無気力?でした(苦笑)。
[PR]
by yasuhirohashimoto | 2010-02-06 11:43 | 教育のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto
プロフィールを見る
画像一覧