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福岡教育大学・三附属中学校共同研究発表会(2011)。

過日、標記の研究発表会に参加してきました。

福岡教育大学では、三附属中学校と共同して各教科毎に研究主題を
設定しています。

研究主題:社会をつくる社会科学習指導法の研究-「対話」でわかりをつくる社会科教師処遇-

公開されたのは、以下の二つをテーマとした授業。

「これからの福祉と生活環境」 東方広海先生
「日本のエネルギー事情」 藤島俊幸先生

前者は、社会保障を充実させるために消費税率を10%に引き上げるか否か
を議論する授業。その際、「増税賛成派に意見が偏った際に、景気への影響の
視点から、増税反対派に意見が偏った際に、世代間扶養の実現性の視点から
問いただす」「将来の社会保障の在り方について考える際、人生前半の社会保障
を充実させる必要があることに気付かせるためにフランスと日本の社会保障給付費
の内訳を比較させる」といった「教師処遇」が設定され、議論を深めようとしています。
後者は、日本のエネルギー事情について、「日本の発電割合」「発電コスト」「一次エネルギー
輸送経路」「一次エネルギー輸入相手国」「カントリーリスク」「世界四大チョークポイント」
「エネルギーミクス」などの観点から、考察を進めていく。その際、「原子力発電にかかる
コストを発電に限定している場合にはコストとはどこまでを指しているのか」「エネルギー
安全保障の根幹がエネルギーミクスであることに気付きやすくするために日本の年間
停電時間が世界最短なのはどうしてなのか問う」といった「教師処遇」が設定されていました。

議論を深めるための「教師処遇」はとても重要!これに異論はないはずなのですが、
「教師処遇」自体を教師による「恣意的な指導」と捉えるとその評価も異なります。

私は「教師処遇」重視派なので、「教師処遇」の在り方(適切さ)を問うことが授業の評価
と直結するだろうと考えます。

後者の授業の場合、「停電時間最短に焦点を当てること」が、エネルギー安全保障の
根幹としてのエネルギーミクスとどう関係があるのか、子供にとってわかりやすくなった
のかが問われるのかなあと思いました。

しかし、前者も後者も、およそ中学3年生の授業とは思えない、レベルの高い意見が
子供たちから提示されていたと思います。やはりしっかり丁寧に授業を作り、そして
「教師処遇」をされている学校(授業)だからこそ、でしょう。

授業を参観に来られていたH大学附属中・高校のM先生は、「うちの生徒とレベルが違う」
といった趣旨のことを言っていました。それは授業態度、授業理解両面を指しているのでしょう。

ここ3年間、毎年拝見してきましたが、また来年時間があれば拝見できればと思っています。

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by yasuhirohashimoto | 2011-11-30 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

面白い恋人。

大阪駅や新大阪駅のお土産物屋で最近よく見るのが、

面白い恋人

北海道の代表的なお土産「白い恋人」を文字って、
売り出した代物と思われます。

この命名、「大阪らしい」なあと言うのが感想。
「大阪商人」らしいというのが感想。

ただ裁判になると面白いでは済まない。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111128-OYT1T00948.htm

どうも、商標権侵害で、「白い恋人」の製造元石屋製菓が裁判を起こしたようです。

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明日から渡米です。ワシントンD.C.に向かいます。
目的はNCSSに参加するため。資料収集をしてきますが、
日本人研究者の発表もあります。色々勉強してきたいと思っています。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-29 00:00 | 雑記 | Comments(0)

京都の夜。

過日、前の職場の同僚たちと京都で飲み会をしました。

どうもワイン6本空けたようですが(苦笑)。

記憶に残っているのは、以下の話だけ?(笑)

専門の先生方の問題意識からどうも教科教育の院生は
逃げているとのこと。

いかにもまずいと思いますが。

うまく研究内容・指摘を取り込みながら、よりよい修士論文
に仕上げていくことの方が大切です。

教科教育と専門科学との連携は古くて新しい課題です。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-27 00:00 | 雑記 | Comments(0)

福岡法教育研究会に参加。

過日、福岡法教育研究会に参加するために、博多へ移動。

福井から博多まではJR利用。4時間超乗車していました。
これまでは比較的小松空港から飛行機利用が多かったので、
やっぱり飛行機のものです。福岡空港から博多駅までは地下鉄
で至近ですので。疲れ方が違います。

さて、同研究会、福岡県弁護士会館で開催されたのですが、同会館
の位置がよくわからず、福岡地裁、高裁の周辺をウロウロ、そうすると
運良く日弁連委員会で旧知のK先生を見つけることができました。

参加者も多く、ざっと20名近くだったと思います。学校現場の先生方
の参加者が多く(主として高校ですが)、福井との違いを認識。福井も
もう少し頑張らなくてはと思いました。また遠方より、K県からS先生、
K大学からF先生も来られました。

内容は、最近行った高校「政治・経済」での「法教育」実践のご報告、
中学校「選択社会」での「法教育」実践のご報告、などでした。

中学校「選択社会」は「よのなか」科を意識した授業です。「少年非行と
成人裁判」の違いから「大人」と「子ども」の違いを明確にしようと意図した
授業だったと思いますが、どうも、「模擬少年審判」などが中心になって
おり、小生の書籍にも出ている「結婚可能年齢」なども利用しつつ、学習
内容に幅を持たせることの必要性を感じました。

また参会されていたF教育大学のT先生からは「社会科の論理」を授業づくり
をする上で意識すべきだ(「科学的社会認識」「社会形成」「合意形成」「市民社会」
「意思決定」「議論」など)、といった貴重な提言もありました。

各地の法教育研究会が出来つつある中で、今最も活動しているのが福岡では
ないかと思い、資料収集を兼ねて参加しました。

これからも全国の研究会に参加して色々意見交換できればと思っていますので、
よろしくお願いします。

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会が終わった後は懇親会。G先生もお見えになり、楽しい一時でした。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-26 00:00 | 研究のこと | Comments(1)

丸岡南中学校自主研究発表会。

過日、標記の発表会に参加してきました。

同中学校は、各教科専門の教室を持ち、生徒が授業を受けるために移動する、
「教科センター方式」を導入しています。アメリカの学校のようですね。過日拝見
したCarmel 高校もそうでした。

また「スクウェア方式」という異学年縦割り組織を持っており、これらの組織の「お陰」
で、不登校生徒(今の1年生だったか)が「ゼロ」だとお聞きしています。

このような特徴的な学校ですが、本学教職大学院の拠点校になっており、教職大学院
の先生方が何人か張り付いて、常時指導をしていますし、教職大学院の学生もインターン
で入っています。

丸岡南中学校自体は交通の便も悪いので、参会者は少ないだろうと思っていたのですが、
N教育大学のN先生を初め、同大学の教職大学院の現職派遣教員の方々も参会されていました。
昨年度の発表会に比べ、参会者も多かったようです。

さて、小生が担当したのは、社会科1年1組の歴史的分野の授業への助言です。

「鎌倉幕府と室町幕府ではどちらがよい政治を行ったのか」

を1時間の学習課題として、この課題に答えるために、5つのキーワードを設定します。

「将軍の支配力」「外交・貿易」「庶民(武士)の暮らし」「産業の発達」「文化」

これらのキーワードに関係がある言葉を教科書などから前時までにピックアップを
させておきます。

それらの言葉を参考にして、レーダーチャートでそれぞれ5つのキーワード毎に、鎌倉幕府と
室町幕府の政治をそれぞれ評価し、最終的にどちらの幕府の政治が「よい」のかを検討して
いきます。

批評会では、「鎌倉幕府と室町幕府の政治」の影響と「産業の発達」はどう関係があるのか、
「鎌倉時代と室町時代、どちらが良い時代か」といった学習課題がこの5つのキーワードと
結びつけて考えられるので、学習課題が適切ではないのではないか、や、圧倒的に室町
幕府と評価する子どもたちが多い状況の中で、議論は深まらないのではないか、といった
いずれも学習課題の設定の問題などが提示されました。

私からは、そもそも、教員が答えを想定できない問いは意味がないということ、即ち、ここ
に示される学習課題の答えは何かを教員が構造図化するなどして、整理できる問いでない
と子どもなりに議論させたとしても、子どもの議論はなかなか深まらないということを指摘し、
更に議論を深める方法論などについて助言をしました。

結局、「はいまわる」授業。前述したように、構造図化する、最近、「社会科教育実践ハンドブック」
に出てくる「議論の構造図」を少しアレンジしたものを、教員の頭の中にまず描いておくこと、これが
一番大切だと思いました。

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by yasuhirohashimoto | 2011-11-25 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

新聞活用委員会(20111121)。

過日県庁で標記の会議が開催されました。
今回は来月開催される教員対象研修会(パネルディスカッション・
ワークショップ)の内容を確定し、「こどもコラムコンテスト」につい
てその詳細を議論することがその目的でした。

「こどもコラムコンテスト」については、ここではあまり語れません。
これから細部を詰めて、県下の小・中学校の児童・生徒さんを対象
に募集をかけることになります。

審査員の方が一番苦労することになりそうです(笑)。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-24 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

松原市三中校区合同授業研究会(2011)。

過日、標記の授業研究会があり、参加してきました。

第1部 研究授業(午後1:45~2:30)
算数:文章題(図を使って、考えよう) 多胡陽子、池西優子(1-3)
特活:上手な断り方 清水裕美(4-2)
道徳:競合する責任について 中川毅(5-3)

第2部 研究協議(午後2:40~3:50)

学力:算数の授業検討他 指導助言 松原市教育委員会指導主事 稲垣久代先生
人権関係づくり:特活の授業検討他 指導助言 武庫川女子大学教授 西井克泰先生
人権の知的理解学習:道徳の授業検討他 指導助言 船岡浩弁護士、橋本

第3部 全体会(午後4:00~5:00)

・開会挨拶
・分科会報告
・ワーキング活動の報告
・まとめ(助言者)
・閉会の挨拶

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私が拝見したのは、「競合する責任」の授業です。

あるサッカークラブに通っているケンジ君がキャプテンになり、チームを率いる
ことになっていた。連日練習を行い、エースでもあるケンジ君も張り切っていた。
しかし、お兄さんが仕事の都合で海外に出張に出ることになり、また、お兄さん
に会って品物を渡す約束をしていたが、その日が試合の日と重なっていた。ど
ちらを優先すべきか、といった課題設定。

ツールは「果たさなければどうなるか」を位置付けています。
そして、「問題を整理する」ために、①「チームメイトとの約束」②「お兄さんとの約束」
は何か、③「チームメイトとの約束を選ばなかった場合はどうなるか」④「お兄さんとの
約束を選ばなかったらどうなるか」を考えさせ、結局「あなたはどちらを選びますか」、
と問い、その理由を児童に書かせていきます。

授業では、③で「友達からの信頼がなくなる」や「チームメイトが勝とうと思っているのに
負ける可能性がある」などが児童から提示されました。「責任を果たさなかった場合のコスト」
に焦点を当てた答えですし、後者については、あくまで「可能性」を問うているので、あくまで
「可能性」であることを認識させる必要がありました(これについては、中川先生も強調され
ていました)。また①、②、③、④と比較的スムーズに進んだのですが、結局子どもの思考は、
「チームに迷惑がかからないで、お兄さんに会える方法は何かないのか」に焦点化されてしまい、
「試合前日にお兄さんに会えないのか」「会えなかったとしても、渡すべきものを郵送すれば良い
ではないか」といった意見が多く出されて、時間切れ。

批評会でも意見が出ましたが、果たしてツールが適切だったのかは疑問が残ります。「果たさなければ
どうなるか」だけではなく、ツールは「判断の基準」を示すものなので、この場合、「誰の誰に対する損害
なのか」「どのような損害なのか」「損害が大きいのはどちらか」を段階を追って考えていく必要があった
のではないか、また、事実を確定させていく必要もあるので、「渡すべきものとは何か」(この問いは損害
の大きさを測る上で必要になるので重要だと思います)といった問いが子どもから自然に出てくれば、そ
れを尊重すれば良かったのではないか(実は授業の中でこの問いをささやいた児童がいたのです)。

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私からは特に、分科会・全体会で、今後の三中校区での「法教育」実践の課題として、「新学習指導要領『法教育』との関連づけ」「義務段階を卒業するまでに身につけておいて欲しい法的市民性を明確にし、それを育成するための小・中連携を行うように整理し直すこと」「『授業と評価の一体化』を考えた時に必要になる『法教育』の評価手法の確立」「限界に焦点を当てた授業づくり」などを挙げました。特に三つ目の課題は、今後研究していく必要のある必須項目だと思います。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-23 12:00 | 研究のこと | Comments(0)

日弁連「市民のための法教育」委員会(201111)。

過日、標記の会議に出席してきました。
教材作成、企画、模擬裁判とそれぞれのグループで
鋭意それこそ「企画」立案を進めています。

教材作成は、小学校の教材例を作成中。
企画は、教員研修をどう組織的に行うのかを検討中。
模擬裁判は来年度開催の概要について検討中です。

大阪弁護士会の「フランス視察」の検討状況なども
報告がありました。

同委員会には今月・来月と出席予定です。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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法テラス主催の「法教育シンポジウム」も企画が進行中。
今年度、三都市で開催予定です。
またその詳細が決定したら、このブログにアップしたいと
思います。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-17 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

日本教科教育学会・回顧(2011)。

標記の件で、沖縄大学に行ってきました。
飛行機の関係で、土曜日の午前中出発の便で、
小松から那覇へ到着。午後2時から社会科関係の
分科会には間に合いました。

広島大学の先生方がそろわれていましたので、
さながら「特研」の様相を呈していました。

私の発表は日曜日の午前中。

1970年代のアメリカ合衆国における法関連教育
プロジェクトを分析し、その結果について報告しま
した。以下、ご質問・ご意見と小生の回答の概要です。

「基礎法学的なアプローチの知見を知見として
学ぶのではリーガルシティズンシップを育成す
ると言えないのではないか」(つまり、リーガル
シティズンシップを育成する以上、その学び方、
にも工夫があるのではないか)
→今回は教育内容面に焦点を合わして発表
した。学習方法面の分析はすることで、上記の
課題は解決できるはずなので、今後後者の
面についても研究を進めて参りたい。

「基礎法学的なアプローチの知見を小・中・
高校でどのように配列するべきと考えるのか」
「リーガルシティズンシップ育成とあるが、その
リーガルシティズンシップと発表で示した5つ
の基軸との関係は?それだけで十分なのか?」
→全ての基礎法学的な内容をこのプロジェクト
がまかなっているのかとは言えないかもしれない。
一つの考え方(「ラディカルなリーガルシティズンシップ」)
を育成するといった観点で内容選択がはかられている
可能性もある。もう少し文献に当たって、検討する必要
があるし、学年段階の内容配列をどう考えるのかについ
てはその後の課題になる。

「アメリカ合衆国の基礎法学と日本の基礎法学は同じ
ものと言えるのか」
→今回発表した内容が米国の基礎法学と同一か
どうか再度検討する必要があるかもしれない。
同プロジェクトに出てくる用語が筆者独特の言い回し
になっていることとも関係がある(米国の法学の世界
で使用されてない言葉がある)。

課題はあるのですが、過日のブログにも書いたとおり、
「面白い」プロジェクトなので、課題を解決して、形に
したいと思います。

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沖縄は11月でも半袖です。夜でも半袖で十分。
12月になるとさすがに長袖が必要になるとか(O大学の
K先生談)。土曜日夜は、Y大学のH先生と一緒に、一杯
100円のオリオンビールと沖縄料理を堪能したのでした。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-15 00:00 | 研究のこと | Comments(1)

福岡法教育研究会。

http://www.fben.jp/houkyouiku/

今月開催される福岡法教育研究会にこっそり
参加予定です(ここにアップするとこっそりに
はなりませんが;苦笑)。

情報収集と情報交換が目的。

来週の土曜日、楽しみにしています。
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by yasuhirohashimoto | 2011-11-12 00:00 | 研究のこと | Comments(1)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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