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福井農林高校・公開授業(201202)。

過日、福井農林高校で学力向上の公開授業が行われました。

今回公開された授業は来年度開催されるNIE全国大会に向けた
「プレ授業」の位置付けでもあり、今年度アドバイザーを仰せつか
っている関係で、指導助言に向かいました。

今回は2月10日付の福井新聞を生徒一人一人が読み解き、その
新聞の中から生徒個々が「課題」と捉える問題を見つけ出す。そ
して、その記事を読んで感じた疑問点や課題をプリントに書かせて、
「なぜその課題がよりよい社会を作り上げる上で重要なのか」を
子どもたちなりに整理させます。

授業の後半では、グループに分かれて、それぞれが考える「課題」
について順位付けを行い、グループで考える「よりよい社会とはど
のような社会」なのかを提案させます。

生徒から提示されたのは「親が安心できるネット社会」「子どもを
遺棄するような事件が減る社会」「借金が減る、電力にゆとりが
ある社会」「もっと豊かでノビノビできる社会」などでした。

授業をされたK先生は、子どもたちの多様な価値観を踏まえた
集団での価値観形成の授業を重視されています。

批評会では、「高等学校のNIE授業としては、客観的に重視できる
社会問題を新聞を活用して批判的に読み解くことが大切ではないか」
といった「客観主義」の立場からのご意見もありました。また、「より
よい社会とはそもそも何か」を追究させる必要があるといった意見も
ありましたし、それぞれが重視する社会像の背景にある価値観をも
っと明確にすべきといった意見もありました。

私からは、単元レベルで捉えて、単元最初の授業として位置付け、
単元後半で、社会問題を批判的に読み解く授業を構想することが
可能ではないか、といったことを述べました。また、今後の授業で
解決策を考える際に必要になる提示される分析する視点(分析枠
組み)は教師から提示することが重要だと思いました。

福井県は「学力上位県」です。ただそれは小・中学校における学力テスト
が上位ということ。高等学校における学力はどうなのか、福井県は、
高等学校における学力向上を目指して、対象教科ごとに部会を設けて
います。社会科もその対象になっており、授業づくりのためのサイト紹介
など、今年度も様々な取り組みを行ってきたようです。このような地道な
取り組みが質の高い授業を作る上で必要になるでしょう。

今後とも福井県の取り組みを注視していきたいと思います。

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by yasuhirohashimoto | 2012-02-29 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

日本公共政策学会関西支部例会。

過日、日本公共政策学会の関西支部例会に参加してきました。

高校生の政治意識の分析 石橋章市朗(関西大学)
社会的包摂と能動的市民性-包摂的シティズンシップ教育論の間隙- 蓮見二郎(九州大学)

次の出張の関係もあり、石橋先生のご発表のみ拝聴しました(蓮見先生、済みません)。
兵庫県内の4つの公立校(都市部普通科、農村部普通科、都市部工業系、農村部商業系)に
通う高校2年生を対象とした政治意識の調査について分析された内容をご発表されました。

分析方法・分析結果は配付資料に示されており、長くなるので割愛します。

分析の結果、高校生の投票意欲を説明するための主要な要因は、政治関心、議論の経験、
投票義務感、私生活中心(自分自身の生活向上を第一に考える、政治に対する不信感を
持っている)などが明らかになったとのこと。教科書の記述、憲法学的理解、政治や生活に
対する不満、社会活動、メディア接触、憲法学的理解、地域性などの複雑な意識構造を持っ
ていること、などが報告されました。

報告後、分析方法の妥当性についてや、調査対象を拡げる必要性(偏差値の高低を意識し
た対象選択や、就職希望や大学進学希望の違いによる対象選択、家庭の経済状況を踏ま
えた対象選択:日本では難しいと思いますが)、現代の若者論との関連について質疑が重
ねられました。

私自身は、投票率の高低の影響は、政治家のパーソナリティが一番大きい(何か大きなことを
やってくれそうといった漠然として期待感:時代の閉塞状況を示していると思いますが)と思って
いるので、このような状況を生み出さないためにも、政治教育が果たす役割は大きいと考えて
います。機構学習だけではなく、政治問題学習、そのための政策分析力・選択力の育成は最低限
求められると思っています。
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-27 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

法教育シンポジウムin福井:公開授業。

過日、シンポジウムで報告する中学校社会(公民的分野)
の授業「高速道路の無料化の是非」が実施されました。

橋本は県外出張のため拝見できませんでした。

詳しくは以下のホームページ(新聞記事)を参照ください。

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/school_education/33242.html

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どうも福井シンポの参加申し込みが芳しくないようです。
締め切りは過ぎましたが、恐らく福井新聞の方で対応
頂けると思いますし、当日参加も可能です。

詳しくは、以下のホームページを参照ください。

http://www.houterasu.or.jp/cont/100455983.pdf
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-25 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

社会系教科教育学会(2011)、回顧。

過日、標記の学会が開催されました。
今回は1日目午前中のみの参加でした。

共同研究の二つの発表を行いました。
共同研究者の諸先生方のご尽力により、
無事発表が終了。

今回は新学習指導要領中学社会(公民的分野)の
「対立と合意、効率と公正」の「習得」「活用」の授業
づくりのあり方について言及しました。

厳密には「習得」を行う大項目(1)イの授業づくりは、
「きまりの意義を考えさせる」としており、「法教育」
の授業づくりが想定されていると言っても良いでしょう。
一方で、大項目(2)以降の「活用」については、
「法教育」が中心的でしょうが、位置づけとしては、
「法教育」も可能であるといった視点での授業づくり
が良いのではないかと思っています。「効率と公正」
に関して、特に「公正」については、指導要領上は、
「手続きの公正、機会の公正、結果の公正」が例示
されていますが、多様な「公正」概念を取り入れること、
また「公正」を判断するための「判断基準」といった一段
下ろした分析枠組みも志向する必要があるでしょう。

今回の発表で、様々な課題を知ることができました。
共同研究者の先生方にはこれからさらなる「課題」が
待ち受けています。今後ともよろしく御願いいたします。
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-24 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

法教育シンポジウムin香川、回顧

過日、標記のシンポジウムが140名を超える参会者を頂き、開催されました。
橋本の基調講演は、以下の通り。

1.「地域の問題は自分たちの問題」-「自助、公助ではなく共助の時代」
2.それらの問題を解決するための手法-「法的な思考方法」-
3.「法教育」とは何か-4つの特徴と最も重要な要素=「思考方法教育」-
4.新学習指導要領の趣旨と「法教育」-コンピテンシー論から迫る-
5.新学習指導要領における「法教育」-社会科と道徳・特別活動を中心として-
6.新学習指導要領における「法教育」の実際
7.今後「法教育」を進めるにあたっての課題

これらの内容を30分で話しました。

その後は、高松独特の問題、アーケード街の自転車走行の是非を議論する
「ルールづくり」の授業のご報告、最後はパネルディスカッション。

その詳細は四国新聞の「一面広告」で掲載されますが、橋本が参加しての
感想。

「法教育」とモラルとの関係をどう整理するのか、ずっと考えないといけないと
思ってはいましたが、パネルディスカッションに登壇したPTAの会長さんのお話
や北澤さんのコメントをお聞きするにつれて、避けては通れない課題だと思いました。

これまでは「法教育」と「道徳教育」との差別化を考える上で、上記の課題を考えることは、
ある意味タブーだと個人的には考えていました。

色々と試行錯誤が必要かもしれませんね。
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-23 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

「桑原科研」のヒアリング調査

過日、標記の件で、神奈川県横浜市・藤沢市を訪れました。
神奈川県は、県立学校で今年度シティズンシップ教育を実施しています。
元々は前の知事さんが18才成人問題を踏まえ、高校生への市民性教育
の重要性を意識され、「政治参加」「司法参加」の二つを柱にした教育をとり
行おうと考えていました(現在は更に「消費者教育」「道徳教育」の四本柱に
なっています)。

今回は日で行われている有権者教育の実情を探ることが目的でしたので、
「政治参加」に絞って、県教育委員会の担当者と、「政治参加」教育に熱心
に取り組んでいる県立湘南台高等学校を訪れ、担当者にお話を伺いました。

「政治参加」といっても、参議院選挙における「模擬投票」が中心の内容です。
なぜ参議院か、それは9月に投開票が行われ、学校のカリキュラムの中に
位置付けやすいこと(衆議院選挙の場合はいつ選挙が行われるのか不確定
であるので難しいとのこと、地方選挙は争点があまりないので、難しいようで
す)。また、3年に一度行われるので、高校1年から3年間の間で一度は「模擬
投票」を経験できること、などがその理由です。お話を伺う中で課題として浮かび
上がってきたことは、やはり「政治的中立性問題」。マニフェストを生徒が読み取りやすく
加工することは、教師の「恣意性」が入る可能性があり、禁止していること、その
ため、「選挙公報」のみを素材として、生徒各々が自主的に政党の政策を調べ、
まとめ、発表するような授業形態にならざるを得ないこと、その結果、調べる範囲
が生徒個々でマチマチになり、深まる事前学習が行いにくいこと、が課題として
挙げられました。また、ほとんどの学校が「総合的な学習の時間」の中で、「模擬
投票」を行っており、公民科の学習とどうリンクさせていくのかが課題になっている
ようです。ただ、知事は変わっても、引き続き参議院選挙(本年実施)の「模擬投票」
は県立学校全校で行う予定だそうです。

「政治参加」教育に熱心に取り組んでいる湘南台高校では、選挙のない年の
「政治参加」教育をどう構築しているのか試行錯誤しているようです。
この学校では「模擬議会」を本年度取り組んだとのこと。3つのテーマ(「消費税
10%問題」「ゴミ袋有料化問題など)を設定し、この問題について、賛成・反対の
立場で、議会(委員会)で議論を行う。議論の方法は、主張・理由1~3、根拠、な
どを必ず示されるようにする。また、実際の議会で用いられる議案書、そしてその
書き方などを踏まえて、いわゆる型にはめて、提案・議論をさせるようです。

先日来、ブログに書いているトゥールミン図式の「理由付け」「根拠」を示し、その
妥当性を議論する、比較的この学校の「模擬議会」は図式を使って政策を作らせ
ていく過程を生徒に経験させているようです。

ただ「総合的な学習の時間」で行うため、公民科の先生以外が担当されているよう。
お話を伺うと、「消費全10%問題」で委員会の委員全てが反対に回ったということで、
それはデータが不足している可能性があることを橋本から指摘しました。より「議論が
深まる」授業の在り方を先生方と協議をしたところです。

その詳細は、次回の打ち合わせ会議で報告いたします。
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-22 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

京都市立紫竹小学校研究発表会続報他。

同学校のホームページが更新されました。

http://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=100809

また過日参観した福井農林高校の授業が新聞紙面にアップされました。

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nie/33138.html
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-21 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

法と教育学会・企画委員会(201202)。

過日、法と教育学会の企画委員会が開催されました。
今回は来年度の研究大会の企画について話し合われました。

まだその詳細は決まっていません。

常に本学会の研究課題は何かを見極めつつ、大会の企画を
考えていく必要がありますし、メインストリームなテーマとは
別に議論すべきテーマがあるので、本大会とは別に研究集会
を開催できないかと個人的には思っています。

色々と検討課題もあり、頭の痛いところです。
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-20 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

法教育シンポジウムin山梨のご案内。

2月19日(日)山梨英和大学グリンバンクホールにて、
法教育シンポジウムin山梨が開催されます。

13:00~13:10
開会・挨拶
梶谷剛(日本司法支援センター理事長)
13:10~14:10
基調講演
「新学習指導要領における法教育」
橋本康弘氏(福井大学教育地域科学部准教授)
14:10~14:40
特別講演
「子どもたちにルールを教える大切さ」
増田明美氏(スポーツジャーナリスト・大阪芸術大学教授)
14:55~16:25
パネルディスカッション
「法教育の普及に向けて」
[パネリスト]
増田明美氏(スポーツジャーナリスト・大阪芸術大学教授)
久保田勲氏(甲斐市立双葉東小学校教諭研究主任)
橋本康弘氏(福井大学教育地域科学部准教授)
丸山嘉代(法務省大臣官房付)
水上浩一(山梨県弁護士会法教育委員会委員長)
[コーディネーター]
古井明男(前日弁連市民のための法教育委員会委員長)
16:25
閉会・挨拶
柴山聡(山梨県弁護士会会長)

主催:日本司法支援センター(法テラス)、法務省、最高裁判所、日本弁護士連合会、
  山梨県弁護士会、山梨日日新聞社・山梨放送、全国地方新聞社連合会
後援:山梨県教育委員会、甲府市教育委員会(予定)、日本司法書士会連合会、
  山梨県司法書士会、社団法人商事法務研究会、一般社団法人共同通信社

詳しくは、以下のホームページまで。

http://www.houkyouiku-shinpo.jp/outline_yamanashi.html
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-19 00:00 | 教育のこと | Comments(1)

日本弁護士連合会「市民のための法教育」委員会(201202)。

過日、標記の会議が開催されました。
今回は後半のジャパンタイムス記者の神谷説子さん
による「アメリカ法教育事情」のご講演があったので、
前半の委員会の議論は、教材作成部会、模擬裁判選手権部会、
企画部会からいつも通りご報告。今回は教材作成部会について
その取り組みを取り上げます。

現在教材作成部会では、小・中学校での法教育教材を、私法と
公法の二つの領域に分けて、作成しています。小学校の教材は
だいたいそろい、これから中学校の教材作成に移る段階になって
います。担当副委員長のNN弁護士(名字の頭文字がお二人とも
N)が中心になって作業をされています。特に今回は現職の小学校
教員にも加わってもらい、意見をもらいながら、教材を鋭意作成
しています。

そのうち出版を・・・と考えているようです。その内容を世に問う時期も
そう遠くないと思います。

神谷さんの「アメリカ法教育事情」は、全米で行われている模擬裁判
「選手権」についての詳細なご報告でした。チーム同士で練習試合も
行われているよう。熱心な法曹関係者があって初めて成り立つイベント
だと再認識しました。

全米高校生模擬裁判選手権のサイト
National High School Mock Trial Championship
http://www.nationalmocktrial.org/

今年の開催地ニューメキシコ州の、Center for Civic Valuesのサイト
http://www.civicvalues.org/
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by yasuhirohashimoto | 2012-02-18 00:00 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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