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嶺南教育事務所「小学校・中学校社会科」教員研修。

過日、見出しの会が開催され、嶺南教育事務所のある小浜市に向かいました。
福井から敦賀までは特急、そして敦賀から小浜までは単線の「鈍行」で。
先日のブログにも書きましたが、敦賀から小浜へは1時間程度かかります。
山間(やまあい)を抜けていく感じで、緑豊かな景色を観賞しながらの「小旅行」。
「鈍行」のそばを走る一般道や、途中の駅舎の立派なこと。
通常の「田舎路線」では考えられないですよ。
これも原発誘致のお陰?なのでしょうか。よくわかりませんが。

さて、研修の場所、嶺南教育事務所は東小浜駅そばにあります。
今回は「小学校・中学校社会科」教員研修の一環として、「法教育」を取り上げています。

(1)9:40~12:00 講義「どのように法教育に取り組むか」
(2)13:00~15:45 講義・演習「身近な題材で授業づくり」

(1)では「法教育」の特徴と、その特徴を生かした形でどのような学習が考えられるのか、学習の全体像を、そして、「法教育」と新学習指導要領がどう結びついているのかを新指導要領の狙いを踏まえお話しました。また、「法教育」の授業事例を私が模擬授業することで先生方に「法教育」を体験していただきました。

(2)ではちょうどタイムリーな裁判員制度を授業化する場合、どのような工夫が可能なのかについて、模擬裁判員裁判用のDVDを視聴してもらった後で、先生方に裁判員になってもらい、評議・判決を下してもらいました。そして、裁判員制度の導入の意義や、裁判員制度の課題等を踏まえ、裁判員制度を小学校や中学校で授業化する場合、どのような構想が可能なのかについて、小学校グループと中学校グループに分かれてもらい考察していただきました。

(2)の後半は考察するのに十分な時間が確保できず、申し訳なかった感が。「裁判員制度授業化のきっかけ」になったということでご理解頂ければと思います。

参加の先生は13名。少し寂しかったですが、いずれの先生もとても熱心に取り組まれていました。その中で、私が福井大学へ赴任した最初の年に寺尾ゼミの院生だったSさんがおられました。現在は武生市の中学校の教員として勤務されています。初任研の一環としてこの研修を受講されていました。講師歴が長かったのですが、よく我慢しましたね。地道に頑張れば、未来は開けるといったところでしょうか。

嶺南教育事務所のT先生とのお話の中で、最近の研修の参加者は、「現場に帰ってすぐに使える教材・教具、指導案」を求める傾向が強いとのこと。理論だけではダメ。理論に沿った指導案でも、先生方にとって、また生徒にとっても興味深い「面白い」授業(教材)でないと、そして、長い時間をかけず、せいぜい1~2時間程度で完了できる授業、子どもの学習内容(中学校や小学校での)を踏まえているような授業、これらの条件をカバーしていないと(先生方にとって)「即戦力」にならない(まあ当たり前のことですが)。

ある出版社の有名編集者の方も以前「最近理論本は売れないですからねえ」とおっしゃっておられました。その方は今回の新学習指導要領に関する書籍も「全く売れない」とおっしゃっておられましたが。

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週明けからは神戸大学での集中講義が始まります。隔年開講のこの講義。一昨年に担当した時、後半の「授業作り」で学生さんが作成した経済の授業が秀逸でした。今年も楽しみにしています。
by yasuhirohashimoto | 2009-08-14 10:57 | 研究のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto