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千葉大学教育学部附属小学校研究大会(2010)

過日、見出しの研究大会に参加してきました。
以前もこのブログで紹介しましたが、同小学校の社会科は、「法」を素材に社会科授業を作り、実践しています。

今回の大会で行われた授業のテーマは以下の通りです。

(1)4年生「千葉情報を発信」
(2)3年生「安全なくらしをまもる」
(3)6年生「わたしたちのくらしと日本国憲法」
(4)5年生「わたしたちの生活と情報」

(1)は千葉県の条例によって、アンテナショップを出店する計画があることを子どもたちとともに確認した後で、アンテナショップを出店する目的や、その構成をどうするべきかについて考案する授業です。(2)は「地域の安全な生活の維持と向上」を図るための取り組みとして「子ども110番の家」があることを確認させ、小学校近辺の分布図(近辺にもたくさん存在する)と登録推移数のグラフ(増加のグラフ)を示し、安全な暮らしを守るための取り組みが行われていること、そして、その取り組みの一環として地域安全ボランティアが存在することを理解させる授業です。(3)は自分自身のプライバシー問題について考えさせた(携帯電話を他人に見られたいか否かなど)後で、社会のプライバシー問題(ストリートビュー、「首相の一日」、連絡網)を取り上げて、プライバシー保護のあり方を考えさせる授業です。(4)は残念ながら福井に戻る必要があり拝見できませんでしたが、概要は、震災後生じた問題(救助の遅れ、デマなど)について確認した後で、このような問題を起こさないためにはどのような情報伝達システムが必要なのかについて考えさせ、最後に「神戸市民の安全の推進に関する条例」を提示し比較・検討する授業のようです。

(2)や(3)は、法を教える、法(きまり)のあり方を考えるまで射程に入れている、といった点で、法学習なのでしょうが、(1)は法を教材にしているだけ?のような印象です。

(3)については、「法」を教えるのか、「法機能」を教えるのか、で授業構成は異なってきます。おそらく後者なのでしょうが。結局、何を教えるのか、その場合、段階を追って教える必要があるわけで。その段階性が見えにくくなっているような気がします(批評会に参加できなかったのが残念です)。

今後も同小学校の取り組みには注目していきたいと思っています。
by yasuhirohashimoto | 2010-02-11 10:51 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto