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福井大学教育地域科学部附属中学校研究集会(2010)。

過日、見出しの研究集会が開催されました。
本年度、社会科で行われた授業は二つ。いずれも地理的分野の授業でした。

■「どうする 日本のエネルギー」 授業者:塚田勝利先生
→30年後の日本の主力発電は何か。をMQに置き、子どもたちがこの授業までに学んだ、「火力、水力、原子力、新エネルギー」のそれぞれの授業のメリット・デメリットを踏まえ、班活動で、自班の持ち点10点を「火力、水力、原子力、新エネルギー」に割り振り、また、30年後の日本の主力発電を考える上で必要な要素として「経済性」「安全・安定性」「環境」を取り上げ、これらにも自班の持ち点10点を割り振る。また、縦軸に、「火力、水力、原子力、新エネルギー」を、横軸に[経済性」「安全・安定性」「環境」を位置づけ、交差するところでさきほど示した点数を掛け合わせた数字を出すことで、日本の発電の組み合わせを数値化する。その際、自分たちの考えに最も影響した資料は何か、考えは何かを明らかにし、班の意思決定を問い直す。このような授業でした。
→各班の第一次的な判断(10点の配分)は、「環境」を圧倒的に重視し、そのつぎが「安全・安定」、そして圧倒的に少ないのが「経済性」でした。それが、他班の意見などを聞き、学び合う中で、「環境」を圧倒的に重視するというよりは、ややばらけた判断に変わっていきました。
→ただ、授業を実際に拝見し、子どもたちから出てくる意見を聞いていると、どうも「経済性」が軽んじられているような印象。ゲストティーチャーは、そのあたりを察してか、政府の判断は「経済性」を最も重視している、「石油が枯渇するという時には、石油の価格が上がるということも考えないといけない」(これはおそらく、石油の枯渇を「安定性」でしか捉え切れていない子どもたちへのメッセージだったと思います)。とお話されました。が、なかなか「経済性」を考える気配は感じられず。
→地理的分野でエネルギーを扱う場合の限界を感じましたね。この課題は、地理的分野だけでは無理ですね。
→また、この授業は新潟県の高校教諭T先生による授業を再構成したものでした。

■「みんなでAPEC附中会議を開いてみよう!」 授業者:森田史生先生
→APEC21カ国のエネルギー担当大臣会議が福井で開催される。その機に乗じ、多様な視点でAPEC21 カ国を調べることとした。前時までで、GDP成長率や、合計特殊出生率、従事死亡率、輸出額、主食、平均寿命、貿易額、携帯電話普及率などなど、テーマを設定し、そのテーマに従って、まず、横座標軸を各班毎に作成させたので、本時では、二軸座標を使って、前述のテーマを組み合わせて、自分の担当国について何か見えてくるものを考察するといった授業でした。
→子どもたちは、「輸出額と輸出品目」「平均寿命と食生活」「穀物自給率と輸入品目」といったように、各々が調べてみたいテーマを組み合わせていました。
→子どもたちは楽しそうにやっていましたが・・・・あまり教育的意味のない二軸座標を作っていた班もありましたので。やはり教師の方でこの授業では何を子どもたちに学ばせたいのかをはっきりさせた上で、教師の方でテーマをある程度選定し(教師の方である程度指示を与え)、調べさせないと・・・・

なかなかこの手の授業は進め方が難しく、先生方は「慣れない授業」でとても苦労されています。本学附属中学校もそろそろ新しい路線でやれないのでしょうかねえ。
by yasuhirohashimoto | 2010-06-09 18:43 | 研究のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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