人気ブログランキング | 話題のタグを見る

副免実習・研究授業(2011)。

過日、副免実習の研究授業をゼミ生が担当することになり、
学部生・院生7名と一緒に、灯明寺中学校を訪れました。

参観したのは歴史的分野の「江戸時代」の授業。
MQは「改革を行ったのに、百姓一揆や打ちこわしが減らなかった
のはなぜだろう」です。

授業は、以下のような展開でした。

①百姓一揆と打ちこわしの発生数のグラフを確認し、MQを問う。
②江戸時代の三つの改革で行われた政策を「百姓の立場」に立って評価する。
③班に分かれて、個々の評価を確認し合い、班毎に割り振られた「政策」の
評価を議論する。
④MQを再度問い、江戸時代の改革は誰のために行われたものなのか、
について考察する。

副免実習・研究授業(2011)。_b0091443_12383686.jpg


「『百姓の立場』に立つと評価できない政策が多い」と子どもは判断するので、
改革は「百姓」と「対立?」する「幕府」のために行われたというように子どもは
考える。結果として最終的なねらいには到達しやすい。
子どもの「筋」では考えやすいの授業展開なのかもしれません。

ただ一方で、このMQは「二重構造」になっており、下記後者はそもそも成立するのか
といった問題もあるように思えます(「なぜ百姓一揆やうちこわしは減らなかったのか」
と「改革は百姓一揆や打ちこわしを減らすはずなのに減らなかったのはなぜか」)。

問いを組み立てることの難しさを実感しました。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-29 12:31 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto