関東弁護士連合会法教育シンポジウム・回顧(2011)。
2011年 10月 06日
第一部 法教育の意義と普及に向けた課題-教育者と法律実務家との連携の重要性-
シンポジウム委員会委員 吉田幸加弁護士
第二部 法教育実践に向けた連携と課題
各地の授業の報告(意義と課題) シンポジウム委員会副委員長 青木寛文弁護士
杉並区立和田中学校ビデオ上映と解説
杉並区立和田中学校 杉浦元一主幹教諭 シンポジウム委員会委員 吉井久美子弁護士
コメンテーター 福井大学教育地域科学部 橋本康弘
第三部 法教育のエッセンスと連携・戦略について
海外における法教育 シンポジウム委員会委員 南川麻由子弁護士
法教育普及のための戦略-法教育を広めていくために、今、すべきこと-
シンポジウム委員会委員 伊達有希子弁護士
パネルディスカッション
コーディネーター シンポジウム委員会副委員長 佐藤裕弁護士
パネリスト 京都大学大学院法学研究科 土井真一教授 筑波大学附属中学校 館潤二副校長
シンポジウム委員会副委員長 後藤直樹弁護士 福井大学教育地域科学部 橋本康弘
*******************************************
このシンポジウムの様子は、「天狗の庭」ブログにも掲載されています。
http://yaplog.jp/teng/
今回は、法教育を普及させるための方策を考えるというのが狙い。簡単にまとめると、法律実務家が法教育の「普及」に関わる意義を教員対象アンケートなどから読み解く(第一部)、また、実際に法律実務家が授業づくりに参画し、授業実践にも関与することでどのような教育的効果があったのかを現場の先生から聞き取る。弁護士自身にとっての意義、参画、関与する意義を語る(第二部)、海外、特にアメリカ合衆国(ABA)や韓国(法務部)での「法教育」普及に対する取り組みを明らかにするなどなどでした。
このシンポジウムに参加しての私の感想。
杉浦先生の授業は、「効率と公正」を理解させる教材として秀逸だったということ。「よのなか科」で有名な杉浦先生らしいよく練られた授業だったと思います。子どもたちが積極的に議論に参加していました。「全員参加型」授業でした。パネルディスカッションでは、最後に土井先生がおっしゃったこと。「法学者、実務家、教育学者、教員などの連携といっても、それぞれに考え方が違う。これらを連携させる上で必要な方策は議論ができる場を提供すること、お金も時間もかかるが、その場が提供できれば良いのではないか」といったこと。一部の弁護士会では「法教育センター」づくりが進んでいます。今回のシンポジウムを受けて、関東弁護士連合会でも「法教育センター」を設立することになりそう。これからは、アメリカの法関連教育(運動)が展開した時と同じように「日本版」法教育教材作り、カリキュラム作りがこれらのセンターを基盤に行われることになりそうです。日本の「法教育」もようやくここまで来たんだなあーと感慨深いものがありますね。