法と教育学会第3回学術大会・総括①。
2012年 09月 15日
過日のブログにも示しましたが、270名近い方々が参加され、
そのうち、非会員の方がその半数近くに登ったのは驚きでした。
午前中は第3分科会の司会を務めました。
芸術大学における法教育の実践、埋め込まれた法教育の実証的な
研究、教育学部の学生さんによる法教育実践、ロースクールの学生
さんによる法教育実践、司法書士の法教育活動に関する実証的研究
といった多岐にわたる取り組みが報告されました。
とあるブログにも示されていますが、ロースクールの学生さんが法教育
の取り組みを行う場合、教育のプロでない学生さんが教育を担うことの
「危うさ」が指摘されていました。
http://socialstudies0912.blog111.fc2.com/blog-entry-1025.html
実は先日岡山大学法学部の学生さんによる法教育実践を拝見したときにも
同様の印象を持ちました(これについては後日ブログにて)。
社会科授業構成の基本的な考え方を身に付けていないと授業が上滑りしてしまう。
そして、授業の評価の方法論がわかっていないため、これが良い授業なのか悪い
授業なのか、よくわからず、子どもが楽しく授業を受けていた、といった表面的な
印象で自己評価をしてしまい、結局質の低い授業を繰り返してしまうということです。
法教育の授業は、実務がわかっている人が入った方がより質の高い授業が作れる
はずです。特に、紛争解決や社会問題を法的に考察する授業、模擬裁判授業など
がそれに当たります。また紛争解決などは「効率と公正」、特に「公正」といった概念
よりもより事例に則した具体的な解決プロセスを実務がわかっている人に提供しても
らうことが、授業づくりの早道になります(その辺りは『法律のひろば』10月号に執筆
しましたので、ご関心のある方は来月購入して下さい)。
ただそれはそうなのですが、やはり授業構成論の基本がわかっていないとかなり厳しい。
「法学部の学生さんが来たからそれで子どもたちも喜んでいたのでそれで良い」といった
好意的な先生ばかりとは限りませんし、結局それで良しとして良いのかといった根本的な
問題が残ります。
教育学部(大学院)生と法学部の学生さんとの協同での授業づくりは一つの試みですが、
他に方法はないのか、考えていかなければならないなあと思っています。
(続く)