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フィリピン・マニラ出張③。

マニラ出張の続きです。



ここでは、PAREF SOUTHRIDGE PRIVATE SCHOOLで拝見した「後半」二つの授業を紹介・考察していきます。

grade1の授業は、「コミュニティの助けになる人々の紹介」を狙った授業。すなわち、公的サービスの学習になります。この学習はアートの授業とインテグレートされたものであり、児童各々はpuppetを作る中で、公的サービスを担う、教師や警察官、消防士を作り、それぞれ(puppet)は何なのか、どのような役割を果たすのかについて、児童に考えさせ、発言させることを狙った授業です。

児童によっては、警察官の特徴をつかみ(腕章をつける、銃を持つなど)、どのような役割(刑務所に入れる;正確では無いが)を果たすのかに気づいていた子どももおり、また、消防士の特徴をつかんでいた子どももいましたが、教師はスーツを着ているだけで、教師としての役割を子どもが書いていました。「警察」「消防」といった制服を着る職業に絞って、また、「なぜ制服を着るのか」「腕章をつけているのか」といった点にもっと児童の目が向けば公的サービスの社会的意味につなげることができたのになあと思いました。ただ一方で、フィリピンの場合は、市中の民間の警備員が多数おり、銃を携帯している場合もあるので、公的サービスの学習が難しいとも感じました。

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grade2の授業は、家族の役割の授業。家族構成はどのようになっているのかを確認した後で、父親の似顔絵を描き、父親の名前を書き、父親は、どのような役割を果たしているのかについて述べさせる、母親についても同様にする、そして、家族の大切さを確認するといった授業。この学校はカソリックですので、カソリックとしての役割が求められ、そしてその役割を答えることが求められているという学校の置かれている状況もあり、このような授業になっているようですが、「家族の社会的機能」にまで話がいかないと、社会科としての内容にはならない、これでは、宗教・道徳の授業になってしまう、、そう感じるのは私だけでしょうか。

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by yasuhirohashimoto | 2013-09-13 00:00 | 研究のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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