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福井大学・「授業力向上のための支援事業」③。

羽水高校への「支援事業」は続いています。



一昨年度から始まった「授業力向上のための支援事業」。
現在、社会科教育領域でその目的趣旨にあった事業として
行っているのは、「羽水高校への支援事業」。

一昨年度は、「世界史」。昨年度は、「地理」と「日本史」
で公開授業を院生とともに参観し、授業を検証する、そして、
本学の院生の「授業力」だけでなく、学校の先生方の「授業力」
向上につなげる、といった目的で行っている事業。

今年度一回目の公開授業は「世界史」。テーマは「1848年革命」。
同年、ヨーロッパ諸地域で発生した諸革命の経過を説明し、それら
がいずれも「挫折」したことを学ぶといった教科書記述に示された
内容を追っていく授業。ただ、この授業を担当したK先生は、「アラブ
の春」と比較して、「革命」が発生する諸要因や革命の結果を「一般化」
することで、現在との「つながり」を意識した授業を展開されていました。

「世界史」の先生によく見られる、どうしても「知識偏重」になる、
大きく内容を削って、「アラブの春」との比較を中心に行う、といっ
た発想にはなかなか至らない点。この授業で「革命」を一般化したと
ころで、「些末な知識」を結局教えることになるのではないか、とい
った危惧もあるのでしょうか。

「世界史」を教える意味って何か、ここは、K先生と小生で「共通項」
があるのですが、授業づくり自体は、小生の考えとずれてきます。

教師による概念や理論、知識の「意味づけ」が一つの授業を作る上でも
複数ある中で、子どもによる「意味づけ」も交差してくる。

子どもにいかに意味のある知識になっていくか。社会科の本来の目標に
照らして、それを考えていくこと、その大切さを感じています。

by yasuhirohashimoto | 2015-06-17 00:00 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto