大阪府松原市中央小学校①

本日、大阪府松原市中央小学校にて行われた「授業研究会」の指導・助言に行ってきました。

同小学校は、人権教育の指定校になっており、従来からの人権教育に加えて新たに法関連教育の視点を入れる場合、どのような授業構成が考えられるのかについて現在検討しています。

私も授業づくりに関与しており、今回は『わたしたちと法』(現代人文社)に掲載の授業枠組みを利用し作成したオリジナル教材①どんぐりを公平に分ける方法を考えよう(4年生・道徳)、②班長にふさわしい人は誰(6年生・道徳)を実践しました。

先生方、法関連教育の授業づくりが何分初めてということもあり、相当悩まれたようです。
しかし、授業自体は、想定した目標を十分に達成した実践でした。

授業検討会の後の講話では、私の方から従来の道徳教育との違いを中心にお話しし、より「社会に開かれた学習」である法関連教育を実践する意義を述べました。

先生方と議論する中で、今回の実践について「『せこい』『かわいそう』の二つの判断の観点で物事を決めていく傾向にある子どもたちが他の視点を持つことによって、判断に幅が広がる可能性があること」(小学4年生)。「班長の決め方を学ぶことがない子どもたちにとって、より新鮮な学習であり、有権者教育としても意義があること」(小学6年生)などが意見として出されました。

また、4年生の授業の場合、子どもが判断の観点を適用しても、通常、大人社会では差を付けて配分するケースがある場合でも、差を付けることを「いやがり」、配分を同じくすることが「公正」だと判断する傾向があることがわかりました。

私の方からは、「場面設定を少しづつ変えた授業をすれば、子どもたちが判断の視点を適用し繰り返すことになり、規準(基準)を作り上げることができるような授業構成が可能になること(4年生と6年生)」「権威の学習(6年生)は、権威が発生する要因(理由)があり、その要因を踏まえて権威が成立し、その権限が決まる。また権限に対する制限を学ぶことが大切であること」を指摘しました。今回の授業については、「権威(班長)に関しては権限の部分が『班員を決める』といった点のみで少し弱いこと。権限の制限の設定が難しいこと」も感じました。

学習過程については法関連教育の重要要素である「合理的意思決定・合意形成」のうち、合意形成の難しさが指摘されました(授業実践上)。すなわち小学生の発達段階を考えた時に、合意形成過程が望ましいのかどうか。合理的意思決定に限定するべきなのかといったことです。

これからも同校の協力を頂き、教材を更に発展・充実させ、単元化していく予定です。

ここではそのプロセスについても掲載していきます。
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by yasuhirohashimoto | 2006-05-30 21:59 | 研究のこと | Comments(0)

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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