人気ブログランキング | 話題のタグを見る

福井大学附属小学校研究大会

過日、見出しの会が開催されました。

同校は、科目を枠組みを外して、低・中・高学年といった単位で研究を進めており(科目単位ではない)、私は今年度低学年の指導・助言を受け持っています(昨年度は中学年、一昨年度は高学年を受け持っていました)。研究大会では、道徳と生活科の授業を拝見し、助言・指導を担当しました。今回は道徳の授業に絞って書きたいと思います。

**
道徳の授業は、1年生を対象として法関連教育の授業。ルールのない「動物学校」にどのようなルールを導入するべきなのかについて、動物たちの主張を聞きながら、子どもたちに導入すべきルールの「序列付け」をする中で、それぞれのルールの「根拠」を見つけ出し、最終的にはそれらのルールはいずれも大切なものであることに気付くといったことが授業のねらいです。取り上げたルールは、以下の通り。

①給食を残さず食べる。
②友達の悪口を言わない。
③廊下を走らない。
④友達をけったり、叩いたりしない。

これらのルールについて、保護法益の重要性(生命身体→人格→財産→本人の利益;重要度の高い順)と法益侵害が発生する可能性を踏まえた上でのルールの序列付けを教師の方が踏まえつつ、子どもたちにダイヤモンドランキングの手法を使いながら、ランキングを行わせ、それぞれのランキングになった理由をグループで考えさせ、発表するといった授業です。

**

序列付けについては、④が「一番大切なルール」で①が「一番大切でないルール」に位置づけるグループがほとんどで、②と③の序列付けで悩むグループがありました。


**

授業の批評会では、ランキングに気を取られてしまい、授業の目的(ルールには根拠があること等)の認識を十分果たせていたのか(授業の目的と手段が適切だったのか)といった意見が出されました。また、1年生の授業で「合意形成」を図ることがそれなりにできていたことの評価も意見として出されました。

**

私自身は、1年生でどの程度の学習が可能なのかを「半信半疑」で拝見していた所がありましたが、想定外のこともなく、授業を拝見しホットしました(授業設計には私や野坂弁護士も関わっています)。
多少授業案を手直しする必要がありますが、今後低学年からの法関連教育の授業展開に手応えを感じた次第です。
福井大学附属小学校研究大会_b0091443_1775559.jpg

by yasuhirohashimoto | 2007-02-20 16:44 | 研究のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


by yasuhirohashimoto