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神戸大学集中講義。

昨日まで見出しの件のために、神戸・三宮に滞在していました。

神戸大学は、旧教育学部(現在は発達科学部)に、私の学部時代の「恩師」であるI藤先生が在籍されたこともあります。現在は、社会科に関して様々な著書を出版され、イギリスのシチズンシップ教育についての論文も出されているI谷先生が在籍されています。

今回の集中講義はそのI谷先生に依頼されてのもの。「公民科教育論A・公民科教育論Ⅰ」を担当しました。

受講生は19名。発達科学部だけでなく、文学部の社会学や心理学専攻、また経済学部の学生さんも受講されていました。

今回は、いつもの「公民科教育法・集中講義バージョン」を多少アレンジした形で講義を進めました。通常のバージョンは、

(1)学習指導要領の解説
(2)公民科授業分析(5事例)
(3)公民科授業プランニング・模擬授業

と、三日間でやるにはハードな内容です。今回は、

□学習指導要領の解説は現在改訂作業が進められているので省略
□公民科の授業分析を5事例から8事例に増やし、現行の学習指導要領公民科(「現代社会」「倫理」「政治・経済」)の特徴を示す授業であり、合理的意思決定(社会問題解決)型や開かれた価値観形成型、道徳的価値注入型、概念探求型、社会的価値探求型等に位置付く授業を分析する中で、それぞれの意義・課題を明らかにする。
□授業分析をふまえ、公民科授業プランニング・模擬授業を行う。

といった構成に変更。さらに「ハード」になったかも(苦笑)。

私自身は、T橋先生の『授業診断』のように一つの枠組みで様々な社会科授業を分析するといったプロセスを学生さんに経験させながら、社会科授業のあり方を考察させるといった講義(演習)を常々行いたいと思っているので、今回分析する授業数を増やしたのは先述の意図があったから。ただ、公民科の学習指導要領の解説もしたいという「二兎を追う」ので、一つの枠組みで語るためには必要だけど、指導要領の特徴を示す授業とは必ずしも言えない「合意形成」型や「社会参加」型は排除されてしまいます。「二兎を追うものは一兎を追えない」のですね(笑)。

***
講義は順調に進み、昨日午後、模擬授業を行い集中講義は終了しました。模擬授業のテーマは、

□政府の役割
□独占・寡占
□平和主義
□原子力発電
□食糧安全保障

でした。模擬授業者はいずれも手慣れた?感じでした。特に「政府の役割」の模擬授業を担当したK君はすぐに現場に出て公開授業をしても「高評価」される授業者でした(授業の進め方・問い出しの仕方・板書の仕方・生徒への対応等々)。これは「持って生まれたもの」でしょうね。後は授業内容がしっかりしていればの話ですが。

これまで「のんびり型」の集中講義を受講してきたようで、今回のような「ハード型」は初めてだった学生さんもいたようです。きっとお疲れでしょうが、レポート提出まであと一頑張りしてくださいね。
by yasuhirohashimoto | 2008-02-14 15:13 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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