岩田一彦先生ご退職記念論叢 社会認識教育実践学・・・
2008年 02月 23日
その岩田ゼミの皆さんが以前論文として執筆されたものを「改訂」され綴った書籍が過日刊行されました。
社会認識教育実践学研究会編著『岩田一彦先生ご退職記念論叢 社会認識教育実践学の構築』東京書籍
(画像が悪くてすみません)
この書は、岩田先生の御著書『社会科固有の授業理論30の提言』の章立てに準じています。
第1章 社会科カリキュラム論・社会科授業構成論
第2章 社会科における知識論・認知科学論
第3章 概念探究型社会科論
第4章 価値分析型社会科論
第5章 社会認識の空間的・時系列的位置づけ論
第6章 社会科教授方法論・社会科教員養成論
第7章 社会認識・市民的資質の評価論
そしてそれぞれの章立てに「改訂」された論文、3~12を当てはめています。すなわち、「岩田理論」の研究過程に修了生の執筆した論文を位置づけることが可能であり、同書の出版によって、修了生の論文が「岩田理論」をより「具体化」したものであることを示す「ねらい」があると私自身は考えます。また、それぞれの章の最初には、それぞれの章に位置づけることができる論文を評する「コラム」が設けられ、兵庫教育大学に勤務したことのある大学教員他が執筆しています。
さて、私も第4章の価値分析型社会科論の論考を「評」しました。
価値分析型社会科論の研究手法-方法研究アプローチと内容研究アプローチ-
紙幅が3頁ということもあり書き足りない部分があって、わかりにくいかと思います。ご覧頂き、ご意見いただければ幸いです。
また、コラムの第5章分を執筆されているN教育大学のK先生の論考は興味深いです。これまでほとんど触れられていなかった「岩田理論」と「森分理論」の違いを明確に論じた内容だからです。このコラムも是非ご一読下さい。お二人が標榜される「概念探求学習」論の“違い”がよくわかります。
岩田先生も「定年」を迎えるだけで、実際は兵庫教育大学に特任教授で残られるようです。これからも社会科教育学研究を第一線で率いていかれることでしょう。今後の先生の研究成果から目が離せないですね。