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副免実習・研究授業(2011)。

過日、副免実習の研究授業をゼミ生が担当することになり、
学部生・院生7名と一緒に、灯明寺中学校を訪れました。

参観したのは歴史的分野の「江戸時代」の授業。
MQは「改革を行ったのに、百姓一揆や打ちこわしが減らなかった
のはなぜだろう」です。

授業は、以下のような展開でした。

①百姓一揆と打ちこわしの発生数のグラフを確認し、MQを問う。
②江戸時代の三つの改革で行われた政策を「百姓の立場」に立って評価する。
③班に分かれて、個々の評価を確認し合い、班毎に割り振られた「政策」の
評価を議論する。
④MQを再度問い、江戸時代の改革は誰のために行われたものなのか、
について考察する。

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「『百姓の立場』に立つと評価できない政策が多い」と子どもは判断するので、
改革は「百姓」と「対立?」する「幕府」のために行われたというように子どもは
考える。結果として最終的なねらいには到達しやすい。
子どもの「筋」では考えやすいの授業展開なのかもしれません。

ただ一方で、このMQは「二重構造」になっており、下記後者はそもそも成立するのか
といった問題もあるように思えます(「なぜ百姓一揆やうちこわしは減らなかったのか」
と「改革は百姓一揆や打ちこわしを減らすはずなのに減らなかったのはなぜか」)。

問いを組み立てることの難しさを実感しました。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-29 12:31 | 教育のこと

教育実践研究・模擬授業(2011)2回目。

昨日、教育実践研究の模擬授業の2回目が行われました。
今回は、中学校社会公民的分野の授業です。

授業の内容は、「大きな政府」か「小さな政府」の特徴を最初に説明し、
その後で、それぞれの特徴を有した国として「スウェーデン」と
「アメリカ合衆国」が採ってる政策で発生している問題点を新聞
記事を読み取らせ、生徒に理解させ、日本はどちらの方向性を
目指すべきかを考察させるといったものでした。

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終了後の批評会では、様々な意見が出されました。
内容的に盛りだくさんで、内容の精選が必要になるので、内容の精選を
どのように行うべきなのかといった点が課題として示されました。

「大きな政府」と「小さな政府」の説明部分と、後半の国の政策を読み取る
部分を重ね合わせて授業を行うべきであるといった意見もありました(そも
そも「大きな政府」と「小さな政府」の説明が簡潔すぎるといった指摘もあり
ました)。

前半行ったクイズ(「パソコンを国が一人一つづつ支給してくれる政策が望ましい」など)
をもっと時間をかけて検討する授業構成や、このクイズと「大きな政府」「小さな政府」を
結びつけて授業を組むことができるのでは、といった意見もありました。

内容的には高度で、高校生を対象にした授業にしても良いくらいです。
チャレンジングな授業と評価できる反面、内容が高度ですので、より丁寧な
授業展開が求められます。説明が雑にならないようにしたり、指導案の展開
の内容が相互に関連付いて(上手くつながって)、生徒にわかりやすいように
進められる必要があります。

学生さんからもらったコメントを参考にし、自分自身が納得したものを取り入れて、
指導案を修正して下さい。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-25 10:29 | 教育のこと

日本公民教育学会(2011)。

過日、標記の研究大会が愛媛大学で開催されました。
突然の大雨、梅雨まっただ中での大会でしたが、
参会者も100名を超え、盛会だったようです。

私は午前中自由研究発表の司会でしたが、「一人当たり30分厳守」
という「ルール」もあり、発表者の先生方には、少し慌てさせた感が
あります。お詫びいたします。

大会運営もすこぶる順調で、O先生がしっかり準備されていたから
ではないかと思いました。ご苦労様でした。

来年は東北大学で開催されるとのこと、震災後での開催ということもあり、
お引き受けするのか、来年度実行委員長のT先生も悩まれたようですが、
「東北を元気にするきっかけにしたい」とのことで、開催が決定。
来年度の大会も盛会をお祈りいたします。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-22 06:33 | 研究のこと

教育実践研究・模擬授業(2011)1回目。

過日、「金・2」の講義で、学部3年生が模擬授業を行いました。
例年この時期は、各教科に分かれ、学部1・2年生を「児童・生徒役」に見立てて、
この9月に主免実習を行う学生さんが模擬授業を行います。

その第1回目が先日行われました。
今回は「小学校グループ」の担当。「昔の道具」をテーマに、
「現代の道具」との違いを時系列に示し、「なぜそのように変遷してきたのか」について、
子どもたちに考えさせる中で、人間が「便利に安全に楽に」使えるようにするために変遷
してきた、ということを理解させることを狙いとしています。

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批評会では、「写真が示され、イメージしやすい」といった意見が示されましたが、
一方で「事例が3つ(炊飯器他)示されており、事例を絞って、じっくり比較させていく授業
が望ましいのではないか」「用紙に書かれた内容を教師が示すのではなく、事例を比較
させる中で子どもたちに見つけ出させる必要がある」といった意見も示されました。
また、「人間が『便利になった』『楽になった』といった発言は出るが、『安全』になったという
発言がこの授業展開では出にくいのではないか」といった意見もありました。

小学校中学年の児童は、「目に見える」点しか気付かないことが多いので、子どもたちの
「目に見えない」点にいかに焦点を当てるのかがポイントになります。

学習指導要領上は、上記のような授業になるのでしょうが、一方で、高度経済成長下の
基で、「3C」がもてはやされ、購入することが一種のステイタスであったという点や、売り
手の論理(「人間が楽になるような道具を売ることが利益につながる」)等々もありますの
で。「一つのストーリー」だけで終わればよい」と考えるのではない「複数のストーリー」を
意識した授業づくりは常に求められる、そして時と場合によってはチャレンジすること!
これが大切だと思いました。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-21 10:15 | 研究のこと

今日は松山にいます。

明日は日本公民教育学会研究大会です。
愛媛大学で開催されるということで、本日は松山泊まり。

松山市は50万都市。週末大街道を中心に賑わっていました。

本日宿泊するのは、premier inn 松山です。
チェックインする時に、高校生の女子ソフトボール部のメンバー
が多数フロアーにおられました。

最近の高校生は、試合の時にビジネスホテルに宿泊するんですね。
少し驚きました。

金・土・日と松山に滞在。
しっかり学びたい、そう思っています。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-17 23:26 | 雑記

日本弁護士連合会・市民のための法教育委員会(201106)。

過日、標記の会議が開催されました。
弁護士会の「年度」は6月から5月まで。
今回の会議が「年度最初の会議」になります。

これまで長年委員長として委員会を支えてこられた
F委員長(山梨)が退任され、F副委員長(大阪)が委
員長に就任されました。

山梨のF先生は日弁連の副会長時代から「法教育」の
重要性を認識されて、その発展に陰に陽に貢献されて
きました。とても気さくな先生で、「法教育」委員会をそ
のご人格でコントロール?されてこられたのでは、
思います。これからも「相談役?」として委員会に残られ
ます。

大阪のF先生は松原の「法教育」の取り組みにも一緒に
関与してきた先生です。日弁連委員会発足当初からこの
活動の発展に寄与されてきました。大阪弁護士会の「法教
育」は予算規模も人員も全国に比類無く「大規模」です。
小学校から高校まで幅広く展開できているのもF先生の貢
献が大きいのではと思います。

両先生とも、これからもどうぞよろしくお願い致します。

今年度の最初の大仕事は「高校生模擬裁判選手権」
ですね。並行して「教材作成」も行われます。

最近思うことですが、「教材作成」がある程度進んだら、
「教員研修のシステム化」を考えないといけないですね。日
弁連が各ブロックで教員研修セミナーを行うといったことだ
けでなく、各都道府県や政令市などが教育センター(教育
研究所)などで行う「教員研修講座」で「法教育」を行う場合
のモデルを作り、教育委員会に売り込んでいくとか、でしょうか。
「法教育」を展開するためには、「法」に疎い現職の先生方の研
修は欠かせませんので。

その辺り、今後新年度立ち上がった「企画」チームで検討しても良い
かもしれません。

本年度も引き続き「助言者」として委員会活動に関わっていくことになります。
なるべく良い「助言」ができるように頑張っていきたいと思っています。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-17 08:30 | 研究のこと

「大杉科研」の打ち合わせ会議(201106)。

過日、岐阜大学の大杉昭英先生を代表とする科研の打ち合わせ会議が開催されました。

「「活用」力の段階的・系統的育成を目指した社会系教科目の授業開発」

研究分担者の先生方とともに、「活用」をどう捉えるのか、「活用」するのは、知識なのか
技能まで含めるのか、「活用」する知識はどの「範囲」なのかといった研究分担者が持って
おくべき「研究枠組み」について議論をしました。

今後は、イギリス組とアメリカ組に分かれて、資料収集を行い、授業などを分析する中で、
新たな疑問点が出てくるような気がします。

アメリカ組はNCSSに参加して資料収集する予定です。

これから4年間にわたる研究になります。今後ともよろしくお願いいたします。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-16 07:42 | 研究のこと

教員採用試験個人面接指導(201106)。

就職委員の仕事に、教員採用試験の個人面接指導があります。
ちょうど6月前半に小学校、後半に中学校で「副免実習」が行わ
れます。先日「副免実習」に行っていない学生さんを対象
とする6月前半の個人面接指導が行われました(6月後半に
中学校で「副免実習」を行う学生さん対象)。

私が担当したのは3名の学生さん。

面接時間は20分、面接指導が20分の40分。
志願書を中心に質問をしていき、福井県にまつわること、
児童・生徒対応に関すること、などなどを質問していきます。

やはり事前準備がしっかり出来ているかどうかが問われます。
後半に指導を受ける学生さん、準備を怠りなく。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-11 10:28 | 教育のこと

公民科教育法Ⅱ(201106)。

公民科教育法Ⅱは、高等学校公民科免許取得のための「必修科目」。
毎年、Ⅱでは、「授業づくり」の演習を行っています。

今年は「東日本大震災」に関する新聞記事を使用して公民科の授業を
作ってもらうといったことをしています。

先週・今週の講義で4つのグループから指導案が提案されましたので、
今日のブログはこの件を報告したいと思います。

授業のテーマは大きく3つ。「原発事故後の風評被害などに焦点を当てた
情報リテラシーの授業(2つ)」「東日本大震災直後の円高傾向に焦点を当
てた国際経済の授業」「原発事故後の今後のエネルギー政策の在り方に
焦点を当てた授業」でした。

「情報リテラシー」をテーマに取り上げた班は授業づくりが難航していました。
「風評被害」「チェーンメール」「斑目委員長の発言の受け止め方の違い」などなど
を取り上げていましたが、何を素材に何を教えれば良いのか、ピンときていない。
現代社会の教科書でも見開き1頁の一部分にしか登場しない「情報リテラシー」
で、教科書ではさらっと説明しているだけですし。

他2班にもそれぞれ課題がありましたので、今後指導案の修正を行い、
次のステージに上がります。

T先生の講義でも例年この時期「授業づくり」をしており、また、本日より「金・2」
の講義でも本学附属での教育実習に向けた「模擬授業準備、そして模擬授業」
ということになります。学部三年生は「正念場」ですね。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-10 08:40 | 教育のこと

福井大学教育地域科学部附属中学校研究大会(2011)。

過日、標記の大会が開催されました。
本年度の社会科の公開授業は二つです。

■これからアジアのリーダーとなる国はどこだ!(地理的分野)
→アジアの「リーダー」候補である、中国、インド、ASEAN、
日本について、それぞれがなぜ「リーダー」になるのかを資料を
基にし、その資料から読み取った事実を「根拠」にして子どもた
ちなりに知識を結びつけて、主張を組み立てていくといった内容。
→前時まででアジアが「急速な経済発展」を遂げていることを理解
している子どもたちの頭の中には「経済的なリーダー」になるのは
どこだ!といった問いが思い浮かんでいる。そこで「経済」に焦点を
当てた議論を展開しようとしています。
なお子どもたちの間ではほぼ「中国」と「インド」に絞られていき、両者
のどちらなのか、といった視点で考察が続いていきます。
→私が見た班のある生徒は、「中国」と「インド」について、「中国」の現
実を、「一人っ子政策」「やみっこの問題」などを取り上げていましたが、
「(一人っ子政策をしているけれど)人口が多いから経済が発展する」
と結論付けていました。ただ「インド」の不安定要因について、カースト
制度を取り上げて話をしていた生徒もいました。
→全体として、まだ「知識を関連付ける」段階には至っていなかった
と思います。これからどう「知識を関連付けて」因果関係を子どもたち
なりに整理していくのか、「人口が多いから経済が発展する」の「間」を
生徒なりに読み解くことができれば(そういう生徒が増えれば)、質の
高い授業になると思います。
→ある教科教育の先生が、「ご自身の教科の公開授業は『言語活動』を
していないからこの授業を観に来た」とおっしゃっていたとのこと。単に
「言語活動」をすれば良いと言う問題ではないので。「言語活動」はあく
まで「思考力・判断力・表現力」を育成する手段でしかありません。社会
科で育成すべき「思考力・判断力・表現力」とは何か、そこをしっかり整
理しないといけない。批評会の最後に、助言者のN校長先生が「二つの
実践には『社会科』の論理がない」と強いおっしゃっておられました。教科
固有の「論理」と附属の研究テーマをうまく結びつけることが必要なの
ではないでしょうか。

■どうする日本の未来社会(公民的分野)
→この授業は、「安心な未来社会をつくるためには、どうしたらいいの
か」をテーマに、政党を作り、一つ政策を提案します。そして、その政策
が国民生活に及ぼす影響の大きさ、政策によって生じるメリットとデメリ
ットを分析した後、クラスで提言を行い、どの政党の政策が望ましいの
か、投票するといった流れ。
→生徒から出された政策は大きく二つに分かれており、「税率を上げて
国債を返し、国民生活を豊かにします党」のように、具体的な政策を実
行するための「手段」に当たる政策と、「医師数を増やし、あたりまえの
生活が送れるようにする党」のように具体的な政策を示すグループが
混在していました。また全体的に、「大きな政府」路線の政策ばかりで
した。結果として、具体の政策のどれが良いのか、といった判断に依拠
することになり、「対立」点が見えにくい展開になっていたと思います。
→「安心」になる政策となると、子どもの発想は「大きな政府」路線にな
りがちです。ただ全ての政策を実現するためには税金を上げ続けるの
が良いのか、「政府がやるのではなく民間に任せるべき内容は何か」と
いったことも必要ではないかと思いました。
→一方で公民的分野の一番最初の「現代社会を概観する」中項目の学
習ですので、あまり深く突っ込まないといった方法もあるかと思いました。

いずれの授業も生徒が「自分の問題」として考え、授業が進められており、
無関心の子どもがいなかったのは好印象でした。

本学の附属の先生方には頭が下がる思いです。今後も引き続き、よろしく
お願いいたします。
by yasuhirohashimoto | 2011-06-09 08:16 | 教育のこと

福井大学教育学部の社会科教育学担当者が日々感じること、研究のことなどを気の赴くまま記しています。


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