清心中学校と岡山大学法学部の連携授業。
2012年 09月 30日
岡山大学法友会の学生さんや法学部の先生方、清心中学校の先生方
が中心になり「法教育」の授業プランを作り上げ、中学校3年生を対象に
授業を行う。
これまで学校教員が授業のプランニングから実施まで一人で責任を負っ
ていた。以前から「出前授業」といった外部講師による外部講師のための?
授業はありましたが、上記のような取り組みは、そう多くなかった。「法教育」
の取り組みが上記のような学生、教師、学者(法曹三者)の「トライアングル」
での授業プランニング・実践を進めることになった。そういっても過言ではない
でしょう(その「良さ」「課題」は以前ブログにも少しだけ触れました)。
今回は、「国家のあり方」を考えると言った壮大な授業。功利主義やリバタリア
ニズムの考え方を背景にした国家(像)を想起させる国々とその国に生きる人
々の思い(状況)、そして、現在の日本の状況をシナリオで生徒に理解させた後
で、「税金」「保険」「社会保障」などをどの程度払い、また手厚くするのか、など
について、生徒に絵で示させる、そうすることによって「望ましい国家像」を考え
させるといった授業。
同授業は合計3回行われており、橋本は2回目の授業を参観しましたが、シナリ
オは中学生には難しく、シナリオの内容を理解した上で、絵を描いているのか、
判断がつかなかった等々、多々問題はありましたが、内容的にはチャレンジングで
とても面白かった。
法社会学の先生が中心に練られた授業だと思いますが、もう少し教科教育的な
発想が入れば、より質の高い、開発研究としても意義のあるものになると思いました。
この連携授業の様子はどこかの学会でご発表されるようです。是非関心のある先生は
ご覧になってはいかがでしょうか。
附属小・中学校主免実習(2012)。
2012年 09月 29日
中学校を訪れ、社会系の学生さんがプランニングし
た授業実践を拝見してきました。
皆さん、ICTを活用して教材研究をしっかりして授業
を組み立てていました。
ICTは児童・生徒の注目を引くには良いと思います。
ただ、単にICTを使えばよいというものではないとも
言えるでしょう。
ICTを使って、何をするのか、授業全体の構成の中で、
効果的に使って欲しい。ICTでないと「できないこと」に
使って欲しい。と思います。1時間中、ICT機器を使った
授業も良いですが、児童・生徒もだんだん飽きてきますしね。
いずれにしても、良い経験が出来たのではと思っています。
この経験を今後の講義にもしっかり生かしてもらえれば
と思っています。
本学もようやく・・・。
2012年 09月 24日
更新までの間、色々とトラブル続出でしたが。
ただ最近になって、サーバー更新の利点を享受できるようになりました。
まずは、ウェブメールが使えるようになったこと。
これは大きいです。
これまで出張先でメールを見る場合、小生の「大学アドレス」に届いた
メールを別のメールアドレスに転送していたのですが、事実上その必要が
無くなりました。
ということで、@以前を本名で示したアドレスは今後ほとんど使わなくなると思いますので、
皆さん、その点、留意してください。
それと、大学外でもメーラーを使ってメールを見ることが出来るようになりました
(転送して見るといった前述のような形式ではありません)。
本学にはセキュリティについて厳しくおっしゃる先生がおられますので、
なかなかこれまでは上記のことが実現できなかったのですが、他の大学と比べて、数年
遅れですが、本学のインターネット環境も少しはよくなったと思います。
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ここ数日すっかり秋めいてきました。
今日などは、半袖だと寒いくらいです。
今年の夏は本当に長かった。。。
こんな夏が続くようだと、クーラー買わないとだめですねえ(笑)。
法に関する教育教材開発研究会シンポジウムの詳細について。
2012年 09月 23日
その詳細を掲載頂きました。かなり具体的で、当日出席さ
れなかった皆さんも当日の様子を想い描くことができるのでは、
と思います。是非ご覧頂ければ有り難いです。
前半→http://www.houkyouiku.jp/12092001
後半→http://www.houkyouiku.jp/12092002
9月の教授会。
2012年 09月 20日
本学部は月2回金曜日の午後に教授会が開催されます。
教授会なので、「教授」だけが出席しているのではありません。
橋本が以前勤務していた大学は「教授」だけが出席する教授会で、
当時助手だった橋本は出席することはありませんでした。
ただ本学部の場合は助手の先生も含めて、学部の構成員で構成
されるのが教授会になります。
9月1回目の教授会は、8月に教授会が開催されないため、報告事項
も議題も盛りだくさん。
結局3時間以上、議長席に座っていました(苦笑)。
議事進行も結構気を遣います。
ある程度議論が煮詰まった段階で、「承認」を求めるのですが、なかなか
そのタイミングが難しい。
とはいえ、だんだん慣れてきたような気がします。
来年4月いっぱいまでの任期。何とかこなせればと思っています。
法教育科研・心理調査ワーキング会合(201209)。
2012年 09月 19日
今年度、法教育科研では、小学生を対象にした法の
基本的な概念(立憲主義、民主主義、権力分立など)を
わかりやすく読み替えて、どの学年段階であればその内容
を理解できるのかについて調査することにしています。
その調査用紙の作成について同科研のメンバ-のうち、
心理調査ワーキンググループに入っているメンバーが、
岡山大学に集い、議論しました。
議論の結果、今年度は、憲法の基本的な概念を中心に
調査用紙を作成すること、「認知調査」を中心として、
「認知変容調査」はその後、調査用紙作成・実施とする
こと、などを決定しました。
今年度は、調査用紙の作成の後で、予備調査を実施します。
協力頂こうと考えている学校にはこれから打診しますので、
「断らない」ようによろしくお願いいたします。
法と教育学会第3回学術大会・総括②。
2012年 09月 18日
大会午後は、基調講演とシンポジウム。
基調講演は最高裁判事を務められた那須先生
によるご講演。那須先生は日弁連の法教育委員
であったかと思います。一度、声をかけて頂いた
ことがあります。ご自身の専門学校での教鞭の
ご経験を踏まえ、お話されました。
シンポジウムは「法学と法教育」をテーマにした
パネルディスカッション。法学の専門の先生方
からそれぞれのご専門分野から「法教育」を語る。
専門分野のエッセンスは何か、「法教育」として
何を理解させるべきなのか、について述べて頂く
ことを想定していました。
手続き法学からの視点で語って頂いた山本和彦
一橋大学教授のお話はわかりやすかった。簡明で
わかりやすく手続き法学の基礎を説明頂けたと思
います。
戸松先生、森際先生、河上先生のお話もわかりやす
かった。
やはり、その道の権威にその道の基礎を語って頂く、
これが大切です。一つ一つの内容を確定する上で通
らないといけない道だと思います。。
来年度の大会も是非ご参会頂けますよう、お願いいたします。
1000記事達成。
2012年 09月 17日
かれこれ、このブログも結構長いなあ、そして、
よく書き続けてこれたなあと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
青森県総合学校教育センター研修講座(2012)。
2012年 09月 16日
昨年から今年にかけて、青森づいていて、
ちょうど3回目になります。
公民科の動向と課題-「法教育」を中心にして-
昨年度お話した内容とかなり変えました。ただ、
講義後半の模擬裁判DVD+評議は昨年度と
同様です。
講義に臨もうと当日朝、センターに伺い、担当の
T指導主事とお話をする。その際、前日に検察庁
の方が模擬裁判をされていたと聞いて、少し不安
になり、聞いてみると、橋本が持参した模擬裁判
DVDと同じ内容の裁判を取り扱ったということが
判明。
3時間の持ち時間で、うち1時間で模擬裁判を予定
していた「思惑」が崩れ、「さーてどうしたものか」、
と思っていましたが、終わってみれば、橋本の話は、
結局3時間を大きく過ぎてしまいました。
「法教育」だけで何もなくてもそのくらいしゃべれるよう
になったんだなあーと思わず、感心しました(笑)。
ただ3時間以上しゃべりっぱなしだったのでさすがに
疲れましたが。
今回参加された先生は5名と少なかったですが、とても
熱心な先生ばかりで、こちらも先生方からのご意見を拝聴
でき、勉強になりました。
法と教育学会第3回学術大会・総括①。
2012年 09月 15日
過日のブログにも示しましたが、270名近い方々が参加され、
そのうち、非会員の方がその半数近くに登ったのは驚きでした。
午前中は第3分科会の司会を務めました。
芸術大学における法教育の実践、埋め込まれた法教育の実証的な
研究、教育学部の学生さんによる法教育実践、ロースクールの学生
さんによる法教育実践、司法書士の法教育活動に関する実証的研究
といった多岐にわたる取り組みが報告されました。
とあるブログにも示されていますが、ロースクールの学生さんが法教育
の取り組みを行う場合、教育のプロでない学生さんが教育を担うことの
「危うさ」が指摘されていました。
http://socialstudies0912.blog111.fc2.com/blog-entry-1025.html
実は先日岡山大学法学部の学生さんによる法教育実践を拝見したときにも
同様の印象を持ちました(これについては後日ブログにて)。
社会科授業構成の基本的な考え方を身に付けていないと授業が上滑りしてしまう。
そして、授業の評価の方法論がわかっていないため、これが良い授業なのか悪い
授業なのか、よくわからず、子どもが楽しく授業を受けていた、といった表面的な
印象で自己評価をしてしまい、結局質の低い授業を繰り返してしまうということです。
法教育の授業は、実務がわかっている人が入った方がより質の高い授業が作れる
はずです。特に、紛争解決や社会問題を法的に考察する授業、模擬裁判授業など
がそれに当たります。また紛争解決などは「効率と公正」、特に「公正」といった概念
よりもより事例に則した具体的な解決プロセスを実務がわかっている人に提供しても
らうことが、授業づくりの早道になります(その辺りは『法律のひろば』10月号に執筆
しましたので、ご関心のある方は来月購入して下さい)。
ただそれはそうなのですが、やはり授業構成論の基本がわかっていないとかなり厳しい。
「法学部の学生さんが来たからそれで子どもたちも喜んでいたのでそれで良い」といった
好意的な先生ばかりとは限りませんし、結局それで良しとして良いのかといった根本的な
問題が残ります。
教育学部(大学院)生と法学部の学生さんとの協同での授業づくりは一つの試みですが、
他に方法はないのか、考えていかなければならないなあと思っています。
(続く)